蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

會津八一記念博物館にて


遥かな昔、遠い所で第15回&勝手に建築観光22回

昨夜は醜い國を代表する醜い男の連立政権に対し良識あるひとびとの鉄槌が下され、久しぶりにいい気持ちだった。

さて思いは現世を遠く離れてまたしても遠い昔をさまようのである。
たしかここら辺が早稲田大学の図書館だったとうろうろ探しているといつのまにやら會津八一記念博物館に変身していた。

ここはあの根津美術館で知られる今井兼次の設計である。1925年に竣工した大閲覧室部分は、自然光がさしこんでなにやら厳粛な雰囲気が漂っていたが、私は閉架式のこの図書館をほとんど利用したことがないが入ってみると統一のない雑多なコレクションが館内を埋めていた。そのすべてが會津八一の収集物ではないらしい。

會津八一新潟市古町生まれ。長くこの大学の美術の教授をつとめ1956年75歳で死んだ。歌人としても知られている。

都辺をのがれ来たればねもごろに潮うち寄するふるさとの浜 八艸道人

なんでもこの大学は今年が創立125周年だそうで、それを記念して吉村某氏のエジプト展をこの博物館で堂々開催するらしいが、私はそういういかにも客寄せパンダ風の企画商売第一で考え出すこの学校がますます嫌いになる。