蝶人戯画録

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「オットー・クレンペラー名演集10枚組」を聴いて

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音楽千夜一夜第310回 

 

独メムブランの1枚100円程度の超お買い得セットのクレンペラー・バージョンである。

 

ここには主にケルン放響とフィルハーモニア管によるブラームスの交響曲1番、3番、ブルックナーの交響曲4,7,8番、そしてぬあんとベートーヴェンの交響曲の全曲がほとんどライヴ録音で収録されている。

 

その大半がモノラルではあるけれど、後のフィルハーモニア管のスタジオ録音と比べてもまったく遜色のない、いやライヴに燃えた巨匠の即興性と情熱の自然発生的な発露を随所で楽しむことができるという点では、より複層的な魅力に満ち満ちた演奏であると断言できる。

 

レオン・フィッシャーの独奏によるベートーヴェンの第4協奏曲、ゲザ・アンダによるブラームスの第2ピアノ協奏曲も無類に楽しい演奏である。