蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

エドワード・ドミトリク監督の「ワーロック」を見て

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闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.546

 

悪党どもがのさばるワーロックの小さな宿場町に集結したヘンリー・フォンダアンソニー・クインリチャード・ウィドマークの3人が、女と友情と正義とを巡ってしのぎを削って争い戦う。こういうのを本物の西部劇というのだ。

 

斜に構えた謎の渡世人クインとフォンダの奇妙にねじれた友情が伏線となって物語が進行するが、3つのガンファイトが大きな見どころ。ウィドマークvs悪漢、フォンダvsクインの決闘も見ごたえがあるが、フォンダvsウィドマークのラストの対決がまことにカッコいい。

 

拳銃を早く抜くことよりも正確に射当てることのほうが遥かに大切である、と説くフォンダ理論を映像が裏付けているあたりも心憎い限り。そういえばリーマン時代にアメリカ出張の折に靴底に隠して密輸入した本物の拳銃を、鏡に向かってフォルダーから素早く抜く練習を毎日のようにやっていた上司がいたなあ。

 

 

「早撃ちハッシー」いつのまにか巴里の細道を描く売れっこ画家になられました 蝶人