蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

フランコ・ゼフィレッリ監督の「マリア・カラスは永遠に」を見て

kawaiimuku2013-01-23



闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.385&♪音楽千夜一夜 第295回


カラスの友人だったフランコ・ゼフィレッリが彼女の思い出とカラス伝説を「利用して」でっちあげた最晩年の偽カラス物語。

1974年の最初で最後の日本ツアーの出来が悪かったことを苦に病んで薬漬けの引き籠り状態になっているカラスを敏腕プロデューサーが巧みに説得して「カルメン」の映像に昔の全盛時代の歌唱をダビングして全世界に発売して大儲けしようと企む。

カラスもノリに乗ってトライしたのだが、結局これは本物の作品ではないと遅まきながら気がついて商品化をキャンセルし、その数年後にパリで亡くなるという虚々実々の人間紙芝居でした。

ゼフィレッリの美術や演出は好きだし才能は評価しているが、いったいどういう料簡でこの映画を作ったのかその理由が分からない。カラスを称楊するというより金儲けの道具にしているんじゃないでしょーか。だいいちカラスはファニー・アルダンのような下品な顔をしていないぞ。

しかし考えてみるとどうも私の感想はいつものように作品の本質に迫っていないようなので、ちゃんとした評に接したい方は是非これを。
http://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=34218852&id=1889578864


美輪明宏をかなぐり捨てて歌いたり丸山明宏「ヨイトマケの唄」 蝶人