蝶人戯画録

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シェーカル・カブール監督の「エリザベス・ザ・ゴールデンエイジ」をみて

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bowyow cine-archives vol.667

 

 

 ケイト・ブランシェット扮する初代エリザベス女王が海賊ウォルター・ローリーに惚れつつも、アルマダの海戦でスペインの無敵艦隊を打ち破り、メアリーを処刑し、王としてのつらい責務を果たしていく天晴れ女の花道物語。

 

 ではあるが、当時は食うか食われるか、粛正するかされるかの、さながらフランス革命時代のような恐怖の時代であった。

 

 されど映画の進行にあわせて絶えず劇伴の音楽を流し続けているのは、拙劣な演出法であり、一流の監督ならこういう愚劣なことはやらない。

 

 アルマダの海戦で、白馬が海を泳いでいく姿を海底からの俯瞰で撮るショットがこの映画においていかにナンセンスであるか、この監督は分かっていないのだ。

 

 

 なにゆえに最近君は嬉しそうなのかこの国が外国のために戦争できる国になったので 蝶人