蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

エミール・アルドリーノ監督の「ダーティー・ダンシング」をみて

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bowyow cine-archives vol.677

 

 

いわゆるひと夏の恋と情事を描く青春ダンス映画なり。

 

60年代のアメリカは保守的ではあったが、若者たちの風紀がそうとうに乱れかけていたことを象徴するような映画で、とりわけ男女が腰を密着させてお互いに激しくクネクネする「ダーティー・ダンシング」が見どころとなるが、これはもはや限りなく男女の性交に近い。

 

チャタレイ夫人と同様に、ブルジュワの可愛いちょっと知的な娘は、教育と財産はないが筋骨隆々たるイケメンのルンペンプロレタリアートに一発で参ってしまうので、親は早く引き離そうと心配するわけだ。

 

確か「ヰタ・セクスアリス」か「青年」のなかで、森鴎外が「男女が下半身を密着させてダンスをすれば男は必ずエレクトする」と書いていたことを思い出したが、漱石は「三四郎」でもけっしてこういうことを書かなかったのは、そんな元気な男性でも齢還暦を越えればそうならない連中も急増することが分かっていたのだろう。

 

もっとも彼自身は、たった49歳で早世したわけであるが。

 

 

  なにゆえに最高血圧167最低血圧96どこか問題があるのだろうか? 蝶人