蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

パット・オコナー監督の「スウィート・ノベンバー」をみて

f:id:kawaiimuku:20140807085650j:plain

 

bowyow cine-archives vol.693

 

 ここでもアメリカの広告業界の異常な内幕がちょっと紹介されているけれど、彼らのクライアントへのプレゼンテーションの技術たるや、東京五輪のアホ莫迦オ・モ・テ・ナ・シなどの生やさしいレベルではない。

 

 電通博報堂などもあの手この手で肉薄プレゼンのノウハウを開拓しているが、まだまだ彼奴等のスコラ哲学理論武装と論理学プラス知情意一体の折伏システムは、本邦のような曖昧モコモコ星雲国では永遠に模倣されつくすことはないだろうし、そのほうが人間的で結構だと思います。

 

 クライアントに超絶セクスイープレゼンを敢行して、一敗地に塗れたキアーヌ・リーブス選手が、シャリーズ・セロンちゃんに優しく「いやして」もらいつつ、普通の真人間に復帰できたのは結構なことで、むかし小林秀雄が慰めてほしかったのはこういう可愛こチャンだったのだろう。

 

 

   なにゆえに蝶よ花よと褒めそやす生殖のほか生き甲斐なきを 蝶人