蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

すべての言葉は通り過ぎてゆく 第15回

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西暦2014年長月蝶人狂言畸語輯&バガテル-そんな私のここだけの話op.187

 

 

社会党の土井元党首が85歳で亡くなった。政治思想は正反対だが今の自民党の陰欝な女性政治家と違って天気晴朗な印象を受ける清々しい人だった。黙祷。9/30

 

評判の悪いフジテレビの「昼顔」が終わったが、なかなか楽しめた。最終回ので高校教師が、自分の浮気の「長所」を人生論として「全校放送で」説くくだりは、さすが井上由美子脚本。主題歌の「他人の関係」は原曲の金井克子をつかうべき。9/29

 

ロイヤルズの青木、プレーオフ進出おめでとう。それにしても長年大リーグでプレイしているイチローが、ポスト・シーズンの晴れ舞台で一度もいちども優勝のチャンスに恵まれないのは気の毒だ。9/28

 

朝日新聞の誤報問題と慰安婦の慰安強制問題、河野談話とは何の関係もない。吉田証言は虚偽でも帝国陸海軍による直接間接の慰安婦強制連行はないというよりあったと考えるほうが自然だろう。明白な証拠がでにくいのは軍や関係者が記録を抹殺したからである。9/27

 

自衛は常に侵略の代名詞である。アメリカがイスラム国を空爆する理由が自衛権の行使であるというのはいかがなものか。彼らがNYを空爆したというのなら分かるが。9/26

 

揺りかごを揺らす手は知っているが、ハープを揺らしながら弾く人は初めてみた。エマニュエル・セイソンという若い男性である。

 

トラック島でパイパンガールという商売の人だけ残して女性をみな国に帰したら、兵はカナカ族の女性を犯し、3か月で男色が広がった。人間の性欲ってひどいものですよ。戦時中の人間の行動はきれいごとなんかじゃない。金子兜太「語る兜太」

 

子規の句で俺の言う「映像の句」というのがある。「鶏頭の十四五本もありぬべし」。本当に徹底して写生をやれば映像になる。金子兜太「語る兜太」

 

地の文に当たるものはオーケストラであり、会話に当たるものは歌手である。ジョイスはそのいづれが奏でる(あるいは歌ふ)部分をも、自分じしんの音楽として強く意識してゐたのだらう。ジョイスは、オペラの作曲家だった。丸谷才一「通夜へゆく道」9/20

 

選挙民のたった2割の支持を得ただけの政党が、勝手に憲法を改悪してしまうとはヒトラー以上の暴挙ではないだろうか。こういう異常事態が起きないような仕組みを発明しなければなるまい。9/18

 

人間はいざとなると保守的になるものだ。おそらくスコットランドは独立しないだろう。9/19

 

青木頑張れ! ロイヤルズぐあんばれ!9/18

 

朝日新聞が己の過ちを国民の前で謝罪したのは当然のことであるが、余りにも遅きに失した。9/13

 

他の音楽家の演奏をきくと、モーツアルトはたいてい悪口を言いますねえ。自分の不平がこういうところに出たかしらって、ちょっと悲しい光景のようにも思われます。吉田秀和

 

アンドラーシュ・シフの演奏は、じつにきれいです。ほんとうに1本の糸で織られているというか、川の水が流れているというか、その間に切れ目がない。吉田秀和

 

シフのスカルラッティは、楽しい遊園地でも歩いているような、今ここに木馬があった、向こうのほうへいくと今度は高い塔に上がっていってと、そんな楽しみを与えてくれました。吉田秀和

 

このオペラは「にせの女庭師」という訳が行われているようですが、日本語として熟していないような気がします。ギャラント・スタイルの代表作ですから、石井宏さんがつけた「恋の花作り」のほうがぴったりのような気がするんです。吉田秀和

 

「冷え切った優雅」というのもちょっとおかしいですけどね、片方では非常に冴えていて、片方ではとっても優雅な感じがして、その2つがひとつの音楽の中に出てくる。こういうところはやっぱり天才の音楽だなあって思わされます。吉田秀和

 

モーツアルトは、「専門の人には「なるほどなあ」と思わせて、そうでない人には、「あ、いいな」と思わせるような音楽を書きたい」といいましたが、k239のセレナーデにはそれがあるようです。吉田秀和9/11

 

「楽しい2週間でした」錦織圭 9/10

 

女性の入閣で安倍内閣の支持率が5%も上がったそうだ。へえー、あんな連中でも上がるんだ。5人で5%だから1人で1%か。ついでに首相を安倍夫人に替えたら100%?9/8

 

まだ優勝したわけでもないのに1面トップとは驚いた。人々が錦織選手の快挙に夢中になるのは、いまこの国で何ひとつ良いニュースがないからだ。9/8

 

池上彰氏がいうとおり、過ちては改めるに憚ることなかれ。朝日新聞は吉田証言を盲信した過誤について大至急謝罪するべきだ。9/7

 

サザン・オールスターズの「東京VICTORY」は駄作だが、「天国オンザビーチ」は素晴らしい。歌詞が卑猥でテレビでオンエアすべきではないという連中がいるようだが、規制しなければいけないなどと思ってしまう人間自身が、表現の自由、放送の自由を縛っているんだ。9/6

 

慰安婦問題で吉田証言を鵜呑みにした誤りを認めたものの、謝罪しない朝日新聞は非難されるべきだが、だからと言って慰安婦への強制労働、あるいは恐らくはあったであろう軍の強制連行が、まるで存在しなかったかのように言い募る連中もおかしい。9/5

 

果たせなかった祖父の黒い野望を果たそうと、しゃにむに地獄への狂気の道を突っ走る独裁者を押しとどめるために、いま何が出来るか。9/3

 

ロイヤルズの青木も、ブルージェイズの川崎も、ちょっと打てないとすぐに交代させられる。大リーグは厳しいなあ。9/2

 

1892年1月、ワーグナーの「パルシファル」を聴いたプルーストは、「失われた時を求めて」の最後編にこの作品の演奏場面を登場させようと考えていたという。吉川一義9/1

 

ミャオ族の人々は蝶から生まれたと信じているそうだ。なんだか親しみを覚えるなあ。9/1

 

 

  世界中に蝶の生まれ変わりが散らばりて蝶よ花よと舞い踊るなり 蝶人