蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

フレッド・カヴァイエ監督の「すべて彼女のために」をみて

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bowyow cine-archives vol.735

 

 

わりあい最近の仏蘭西映画である。無実なのに殺人罪で服役中の細君を移送中に拉致し、子供と3人で海外に逃亡する高校教師の驚くべき冒険物語である。

 

細君は絶望のあまり自殺を図っており、生命の危険もある。そこで万策尽きた男がみずからの財産と職業と社会的地位をなげうち、深く知謀をめぐらして大胆な国外逃亡計画に命を賭けるところが素晴らしい。

 

いくら細君を愛していても、さて私ならここまでできるだろうかと思わずにはいられない。そういう映画である。

 

 

    赤赤赤赤赤赤赤赤赤真っ赤な部屋に女が一人 蝶人