ヴァルテル・サレス監督の「セントラル・ステーション」をみて
bowyow cine-archives vol.762
NYの中央駅の話かと思っていたらリオデジャネイロの駅の代筆屋のおばさんの話で、珍しいことにブラジル映画をみたのでした。
目に一丁字無き民草に代わってあれやこれやの手紙を書いてやる仕事は本邦でも昭和の時代まではあったような気がしますが、とても人情味があってよいですねえ。
その役を演じる元教師のおばさんがたまたま知り合った少年の家庭の事情に巻き込まれて広いブラジルの田舎を旅するロードムービーになっていくのですが、このオバハン、基本的には善い人なのですが、一筋縄ではいかないキャラでして、少年を叩き売ったり平気で万引きしたりするのですから、人間と言うのはよく分からない。善悪と清濁を併せ吞んだ存在ではないかという気がするんですね。
まあ最後は落ち着くところに落ち着く文部省推薦みたいな映画です。
ハチャメチャな自家の平和はさておいて天下国家を勇ましく語る人 蝶人