蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

すべての言葉は通り過ぎてゆく 第18回

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西暦2014年師走蝶人狂言畸語輯&バガテル-そんな私のここだけの話op.190

 

 

織田信成っていいキャラクターだな。解説で泣くのも悪くないしCMの漫画顔もいい。すっかりファンになってしまいました。12/1

 

なんでも「ダメよ~、ダメダメ集団自衛権」というのが今年の流行語大賞になったそうだ。12/2

 

過ぐる3年半に民主党は何事もなさなかったが、自民党は2年間悪事悪行のみをなした。12/4

 

モーツァルトは非常にすばらしい音楽を書きながら、ベートーヴェンと違って、書き過ぎない。そしてあるところは暗示でとどめたりする。彼はけっして行き過ぎない芸術家だった。吉田秀和

 

モーツァルトは人間の心のありのままを音楽に写そうとした。しかし「音楽はどこまでも音楽で、美しくなければならない」と考えていた人だった。吉田秀和

 

モーツァルトの音楽を聴いていると、「やっぱり心の広い人がいい音楽を書くのかしら」というような気になるところがありますね。吉田秀和 12/5

 

高倉健菅原文太、羽生、日本人は昔からマッチョが大好き。石原慎太郎安倍晋三、日本の政治家もマッチョの振りをしたがる。NHKの朝ドラは「マッサン」が女々しくなったので視聴率が急落したそうだ。12/6

 

物言えば唇寒し安倍蚤糞。富めるをますます富ませ、貧しきはまずます貧しく、その間の者を陥没させるのが安倍蚤糞。12/6

 

安倍蚤糞の最大の功績?は、円安元高となり中国および中国人のニッポン買いが進んだこと。尖閣はもとより列島全体が超廉価で買い上げられる日もそう遠くはないだろう。12/6

 

ああ! 今朝もまた、こんなに死んでしまいました! 急性肺炎、89歳、心臓発作、69歳、気管支肺炎、83歳、 ああ!この方はフグ中毒研究の元祖でございました! 動脈血栓、74歳、肺癌、86歳、 ああ!またこんなに死んでしまいました!大江健三郎「新しい人よ眼ざめよ」

 

高倉健菅原文太が亡くなって回顧上映されたのは、彼らの代表作である任侠ヤクザ映画ではなかった。若い担当者の無知なのかそういう土壌がこの国から失われたせいなのか知らないが。

 

本日の遺言。ともかく棄権をせず、自公に1票も与えないこと。さもなくば我らもろとも地獄に落ちるだろう。12/14

 

自公が想定内の圧勝。本日より地獄の日々が始まる。されど絶望は希望に相似たり。12/15

 

全国で3議席減らして沖縄小選挙区では全敗。精確には負けているのだよ安倍自民党。12/16

 

そうです!がんばって長生きいたしましょう! シべリウスは92歳、スカルラッテイは99歳、エドアルド・ディ・カプアは112歳まで生きたのでしたよ! ああ!すごいもpのだなあ! 大江健三郎「新しい人よ眼ざめよ」

 

協調と競争の2つの局面において「合わす」ことを心がけるのが日本文学の基本的性格だった。「合わす」意志と「孤心に還る」意志との間に戦闘的な緊張、そして牽引力が働いている限りにおいて作品は稀有の輝きを発した。大岡信

 

「“散華”どころか“犬死”なのである。この本に登場する人物はすべて強制的に“犬死”させられたのである。後に残った人々がそう認識することが、彼らに対する“慰霊”なのである」吉行淳之介の随筆集「なんのせいか」

 

せめて君ひとりくらい君が面白いと思っていることをもっと面白がって小説を書きませんか。文学賞がもらへないと判ってゐるにに小説を書くのは、時間の浪費だと言ふ人もあるかもしれません。しかし、文学といふのはもともと暇つぶしなのです。丸谷才一

 

「裏切り者、いかす女、新入生、女たらし、クズ、駄馬、売れない品物、額面割れの債権」などの意味をあわせもつ単語を我々日本人は想像できるだろうか。答えはdogである。これと比べるとcatにはさほどの柔軟性はない。所詮猫とはその程度のものなのであろう。富山太佳夫

 

「まっ暗だ。どっちを向いてもまっ暗だ、なに一つ見えない、どこかで道に迷ったんだな」「虚空遍歴」山本周五郎12/21

 

在京のオーケストラを聴きまくっていた頃、私が一番好きだったのは新星日響だった。ある日全盛時代のコバケンが、チャイコを振り終えたあと、後ずさりしながら東京文化会館の地面に落下して、彼の頭がコンクリートに激突するゴツーンという音が鳴り響いた。

 

幸い大事に至らず、一瞬静まり返った聴衆は安堵の胸を撫で下ろしたのだったが、当時の文字通り炎のように燃え上がる熱血演奏が、それから次第に影をひそめていったのは、あの事故のせいではなかったろうか。12/22

 

新星日響のコンサートマスターが交通事故で急死した直後のコンサートは、彼の細君も演奏に加わっていたためにいっそう悲劇的で悲壮で観衆たちの魂を激しく揺さぶった。この不滅のパトスは今もなお彼らが合併した東フィルに伝えられているような気がする。12/24

 

おもい切ろうとあきらめて、それから恋になりしとや、浮名も立たで。山本周五郎「虚空遍歴」

 

テレビ朝日系「ドクターX~外科医・大門未知子~」は面白かった。脚本もいいが、ヒロインの米倉涼子をはじめ脇役がみなイキイキと演じていた。しかしもう続編は作る必要はない。

 

フジテレビ系のふぁっちょんドラマ「ファーストクラス」が終了。最後は古着再生手作りブランドの立ち上げというもっともらしい妙案で終わったが、沢尻エリカの圧倒的な演技力のなさが素晴らしかった。

 

文壇とか歌壇、俳壇というのは世間の人は誰も知らない小さな蛸壺なのだが、覗いてみるとその底は意外に深くて、古狸や女狐などが蠢いている。

 

ところで文壇が消滅して久しいのに、俳壇や歌壇がまだ存続しているのはなぜだろう。

 

いまどきシラーやベートーヴェンのように愚直に「歓喜の歌」をうたえる人はいないだろうが、それでもオオ、フロイデ!という言葉の真実らしさを信じる演奏と、まったく信じられない冷めた演奏の違いだけは聴き取ることはできよう。12/28

 

バッハやブルックナーの音楽を聴くと、彼が神を信じ、神を見た人であることが分かるが、だからといって神を信じる人による演奏が優れていて不信心な者による演奏が駄目というわけでもない。しかしどちらかというと私は前者の演奏を好む。12/28

 

「伊賀越道中双六」通し狂言の「竹藪」などでは、滑稽なスローモーションによる活劇が繰り広げられるが、このスローモーション演出は、江戸時代から行われていたのだろうか?世界の演劇史の中でスローモーションはどのように位置付けられているのだろうか?12/28

 

 

  またしてもモンゴルの怪物現れて日本の土俵を席巻せんとす 蝶人