きさらぎ、きさらぎ~「これでも詩かよ」第124番
ある晴れた日に第284回
きさらぎ、きさらぎ、寒さの極まり
さんさん、さんがつ、ややに近付く
ひさかたの 春の待たるるそのあした
妻とふたりで 朝夷奈峠
おたまじゃくしの 卵を求めて
うろうろ、うろうろ、鵜の目、鷹の目
草の根かきわけ 探したけれど
三つの小池を 覗いたけれど
どこにもいないぞ ぬるぬる卵
浅き夢見し ぬるぬる卵
きさらぎ、きさらぎ、寒さの極まり
さんさん、さんがつ、ややに近付く
「温かき心は挨拶から」と書いてある標札にして掲げるはいかがなものか 蝶人