蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

おフランス映画を2本みた

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フランシス・ベベール監督の「ルビーとカンタン」をみて

 

bowyow cine-archives vol.782&783

 

 

ジャン・レノジェラール・ドパルデュー共演によるフレンチコメディですが、それほど笑えないのは、ドパルデュー演じるアホ莫迦男の実在感があまりないせいかもしれない。

 

2人とも一生懸命に演じているんだが、もともとジャン・レノはダイコンだし、演出もつまらない。2004年の製作だが、最近の仏蘭西映画も落ち目だなあ。

 

 

ジャン=ピエール&リュック・アルデンヌ監督の「ある子供」をみて

 

 2006年に製作されたフランス・ベルギー合作映画なり。

 

 妻を愛してもいないのに子供をつくった若いやくざな男が、金に困って妻に内緒で赤ちゃんを売り飛ばすが、いろいろな紆余曲折を経て遅まきながら妻に前非を悔いて、涙ながらに更生を図ろうとするのであるが、こういう見え透いたお涙頂戴の「感動的な」映画が、どうしてカンヌ映画祭のグランプリを獲得するのか理解に苦しむ。

 

 題名の「ある子供」というのは、彼らの赤ん坊ではなく、子供同然の幼稚で未熟な夫を指すのだろう。

 

 

  真夜中に時々自分を暖めているひとりぼっちの我が家の風呂よ 蝶人