蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

21世紀のファッション・トレンド その13

f:id:kawaiimuku:20150322105030j:plain

 

ふぁっちょん幻論第93回&広告戯評第21回&バガテル-そんな私のここだけの話op.196

 

2014年6月下旬にミラノ、パリで開催された2015年春夏メンズコレクションは軽さと快適さの追求。ボッテガ・ヴェネタ、トッズ、カルヴェン、ルイ・ヴィトンなどシンプルな色柄と薄く機能性のある素材やゆとりのあるシルエットが特徴。コムデ・ギャルソンは「反戦」をテーマに、アヴァンギャルドなコレクションを静かに展開。

 

15年春夏ミラノ・コレ=伝統の技と素材受け継ぐ。新味より着やすさ。日常着をエレガントに。プラダ、グッチ、アルマーニなど。

 

15年春夏パリ・オートクチュールディオール、シャネル、ヴァレンティノなどテロ・厳戒態勢の中であふれる花と愛。

 

15年春夏パリコレ=平和への願い優美に。時代の不安色濃く暗示。主流は70年代のフラワーチルドレン調をモダンに仕立てたスタイル。女性の権利拡大のネッセージも。コムデのメンズは「反戦」がテーマ。英ジョナサン・アンダーソンがロエベのデザイナーに、ソノア・リキエルは仏の新人ジュリー・ドウ・リブラン、3年前ディオールを解雇されたジョン・ガリアーノマルタン・マルジェラに。

 

15年春夏東コレ=見せる服より着られる服を。原点に光、普段着が主流。メッセイジ性なくリアル・クロージング。

 

15年秋冬NYコレ­=脱癒し、まとう力強さ。変革を求め、自らを奮い立たせるような力強さ。オスカー・デ?ラ・レンタ死去して元ニナ・リッチのピーター・コッピング初のショー。マーク・ジェイコブスの反リラックス変化。

 

15年秋冬パリコレ=ルイ・ヴィトンセリーヌディオールなど「花と愛と自由」の1970年代調を引き継ぎながらも未来へ導く強さと官能。暗さに向き合うコムデギャルソン。

 

15年秋冬東コレ=タケオ・キクチ、ユキ・トリイ、ケイタ・マルヤマなどヴェテラン、中堅が個性豊かに盛り上げる。

 

(以上は朝日新聞文化欄からの抜粋です)

 

 その他英国のバーバリー三陽商会との契約を終了させ、今年7月以降はバ社の直営店のみで販売されることになったが、これはラグジュアリー路線を貫徹しようとする本国が、三陽独自のボルームゾーン版の普及を切捨て、さらなるイメージアップを図ろうとするもの。

 

 かつて高島屋ピエール・カルダンで行ったように日本では欧米の高級ブランドを大衆化して拡販する商法が得意中の得意で、このような極東ローカルの俗流大衆路線を粛清して純潔を死守しようとしたのだろう。

 

 ニッポン人なんか信用しないぞ! 今年3月に出されたバーバリーのイメージ広告はそんな決意を暗に秘めているように感じられる。

 

 

  隙あらば高級ブランドのスリッパを叩き売るそれがニッポン人ぞなもし 蝶人