ソニーの「合唱曲ボックス」GROSSE CHORMUSIK30枚組CDを聴いて
音楽千夜一夜第341 回
最近安倍内閣の素晴らしい経済政策によって異常なまでのドル高円安が続いており、輸入CDの価格はまたしても急騰しているので、私のような貧乏人はともかく超廉価盤の中からいいものを厳選するほかありません。
さてこの組物ですが、「バロックから現代に至る声楽作品から規模の大きな傑作を中心に選曲し、高水準な演奏&録音でまとめた便利なお買得ボックス。モンテヴェルディの『聖母マリアの夕べの祈り』からアルヴォ・ペルトの『スターバト・マーテル』まで、約400年のスパンから選ばれた聴きごたえある作品群を、優れた演奏によって楽しむことができる」という宣伝文句通りの30枚でした。
内容的には、私の嫌いなアーノンクールの「ブラームス:ドイツ・レクィエム(2007年)」、「バッハ:クリスマス・オラトリオ(2006年)」、「ヘンデル:メサイア(2004年)」なども含まれていましたが、なんせ1枚159円という値段ですから、あんまり文句を言うとバチが当たります。
ウィルソンの「フックス:皇帝レクィエム(2010年)」などを初めて耳にしたのも収穫のひとつでありました。
アバド&ベルリンフィルの「モーツアルトのハ短調ミサ曲」、ヴァイル&ターフェルムジークの「同レクイエム」、ヘンゲルブロック&フライブルグの「バッハロ短調ミサ曲」などは演奏も録音も優れていますが、もっとも印象に残ったのはバーンスタイン&NYフィルによるプーランクの「グロリア」やストラビンスキーの「詩篇交響曲」などの合唱曲を入れた29枚目のアルバムでした。