蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

西暦2015年水無月蝶人花鳥風月狂歌三昧

f:id:kawaiimuku:20150423160917j:plain

 

 

ある晴れた日に 第319回

 

 

戯れに死者の名で呼ぶ蛍かな

 

われもまた一匹の獣であるMGM映画のライオンとなりて吠えておれば

 

ウラナミアカシジミを今年初めて見ました2015年5月24日午前9時

 

安倍晋三マツコ・デラックス伊集院光猪八戒豚豚男は皆嫌い

 

ファションが教えてくれることそれは売れなければなにを言ってもだめだということ

 

へらへらとマルクス兄弟になりきって歌ってる君は「有頂天」のケラ

 

見るたびに思うこと新宿の美術館のゴッホは偽ものではあるまいか

 

遥々と鎌倉にまでやって来て紫陽花を見物する人人人

 

北鎌で降りて江ノ電に乗ってらあらあとそぞろそぞろ歩くは紫陽花派のおばはん

 

あまりにも早く茶色い染みがつきだした命短し乙女椿

 

人世をもう一度生きてみたいかねア人世をなんちゃらかんちゃらもう一度 

 

人間は弱いもんだな人間は弱いもんです人間なんて

 

台湾リスの仔を滑川に蹴飛ばせば得足りや応と青大将が呑みこむ 

 

いちどみていいとおもってまたみればあんまりおもしろくもないのはどうして 

 

安倍晋三がドラエモんが「どこでもドア」を開いたらそこはいつでも戦場だった

 

賛成はしないが反対もしなかった人々が招き寄せる戦争

 

戦争が近付いているんじゃない我われがどんどん戦争に近付いている

 

春逝きし君のスノードームはなぜか冬いつも静かに雪が降ってる

 

御成通りに太鼓屋できたドデスカデンドデスカデンデン

 

ぼんやりとテレビ見てれば次々に吐き気催す奴らが出てくる

 

コンビニに行きて帰りて誤嚥して六十九歳で果てし人はも

 

アベシンゾウのあべこべ男が首相ならたちまち日本はよくなるだろうに

 

この程度のブラームスを聴いてブラボーと叫んでいるチェリビダッケ読響の4番を知らずに

 

失せ物いずこありや早田雄二さんが撮ってくれたわが20代の肖像写真

 

裏駅の時計は午後4時を廻りたりものみな息絶え虫になるとき

 

由比ヶ浜の砂の下に昏々と眠り続ける若武者の歯よ

 

「白川以北一山百文」東北の反薩長ルサンチマン大東亜戦争を勃発させたあ

 

なにゆえになにゆえシリーズは続いてるなにぬねごっこが楽しいからさ

 

ユジャ・ワンはいつも超ミニべアバック見ているうちに演奏が終わる

 

 

  失われた青春を牢屋で作りだしていると坂口弘語れり 蝶人