蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

3回目の由比ヶ浜行き

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鎌倉ちょっと不思議な物語第349回&バガテル-そんな私のここだけの話op.209

 

 

2時半に出発。駐車場は満車だったが、入口のおじさんが手招きして入れてくれた。その直後に入場を封鎖してしまったので超ラッキーだった。

 

例年だとこの時期のこの時間で駐車場が空いているなんて絶対にあり得ない。これは年々海水浴客が減って来たことと、市町村側が不埒な客が惹き起す様々な事件(中には1昨年の逗子のヤクザ殺人事件もあった)に辟易して、厳格な入場制限を課したことの相乗作用であろう。

 

さて今日は台風の余波で波が高くて遊泳注意の黄色い旗がたなびいていたが、前回並みの波の高さであり透明度であった。水温もほどほどで快適そのものなれど、沖合でまたしてもチクリとクラゲにさされてしまったので、救護所に行って中和剤を塗ってもらう。

 

おばさんの話では今日はあまり被害者はないが、せんだっては大勢の海水浴客が刺されて延々列を作って並んだそうだ。どうもその日の状態によって大量のクラゲが押し寄せたりそうでなかったりするようだ。

 

まあジョーズじゃなくて、クラゲで済んで良かった。

 

本日の特筆事項はホンダワラの大群。こいつが浅瀬にゴロゴロ転がっているので、まるでサルガッソーの海のように、なかなか沖に進むことができないほどだった。

 

こういう日もある。

 

でもアホバカ自公が旗を振って戦争でも始まったら、海陸の交通が遮断されて食物や物資が入手難になるが、こういう海や山のある土地ではこんな海藻や山の植物を食うておれば半月くらいは生き延びることもできるに違いない。

 

そんなことを考えながら潮の流れに揺れ動く茶色いホンダワラを眺めていた。

 

ホンダワラの古称は「ナノリソ」なので、目の前のホンダワラに「名を名乗れ」と云うたら「ホンダワケである」と答えた。

 

ホンダワケは古事記に出てくる応神天皇だが、筑前生まれの彼は八幡信仰の元祖でもあるから、ここ鎌倉の地に鶴岡八幡宮が鎮座しているのは理に適っているようだ。

 

 

   戦争が起こったら由比ヶ浜ホンダワラを採って朝夷奈峠に逃げよう 蝶人