蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

続 もう二度と見ないであろう映画たち

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闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.905、906、907、908、909

 

 

○ロバート・ムーア監督の「名探偵登場」をみて

 

 ポアロやミスマーブル、サム・スペードなどの有名な名探偵が招待された館で殺人事件が起こる。さて犯人は誰かというサスペンスドラマずら。

 

 ピーター・セラーズアレック・ギネスデヴィッド・ニーヴンピーター・フォーク、かてて加えて作家のトルーマン・カポーティまで雁首を揃えているのだが、ちっとも面白くないのは、きっとニール・サイモンの脚本が詰らないからだ。

 

 

○ロバート・ムーア監督の「名探偵再登場」をみて

 

 ハンフリー・ボガードが主演した「マルタの鷹」「カサブランカ」などをパロったニール・サイモンの脚本、ピーター・フォーク主演のドタバタサスペンス映画ずら。

前作の姉妹編、いや兄弟作ということになるが、前作同様さっぱり面白くない。

 

 

ジェイソン・ライトマン監督の「マイレージ マイライフ」をみて

 

 ジョージ・クルーニーが、年が年中飛行機に乗って全米を出張する「リストラ通告専門家」という変態的な役を演じる。

 

 この世に係累を持たない身軽でシンプルな生き方を自慢していたのだが、だんだん人恋しくなってさて、どうしたものかと空港で途方に暮れるというお話ずら。

 

 原題は「Up in the Air」で「未解決」という意味。あまりにも説明的な邦題より「宙ぶらりん」なんかししたほうがモアベターずら。

 

 

クリス・コロンバス監督の「グッドナイト・ムーン」をみて

 

 観てからだいぶ日にちが経ったので、ほとんどどんな映画だったか忘れてしまったずら。

 あ、思い出した。エド・ハリスジュリア・ロバーツと浮気して一緒になったので怒り狂ったスーザン・スランドンだったが、癌で余命いくばくもないと知って、家族のためによかれとけなげに振る舞うという、まあ映画ではよくあると云えばよくある噺ずら。

 

 ジュリア・ロバーツがあんぐり開けた大きな口を眺めていると、なぜだか生きているのが嫌になることがあるずら。

 

 

アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の「バベル」をみて

 

 脚本がいかにもおそまつ君。

 

 モロッコ、メキシコ、東京の3地点で発生した3つの事件を同時並行して描くグローバル地獄映画といえば聞こえがいいが、んなもん机の上のパーパープランにすぎない。

 

 ところが莫迦なプロデューサーがそんな企画を採用したために、デテールはリアルだが、全体としてはすべてがうそっぱちで、超空疎なフィルムが撮れてしまったのである。

 

 ブラビとケイト・ブランシェットご苦労さん。菊池凛子という国際的スターの全裸を初めて拝ませて頂いたが、いったいどこがいいんだろうね。こんな「目玉の松ちゃん」みたいな女の子なら、他にもうじゃうじゃいるじゃんか。

 

 

  うじゃうじゃと雨後に蛆虫湧くがごと巷に蠢く右翼ファシスト 蝶人