蝶人戯画録

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SVIATOSLAV RICHITER THE COMPLETE ALBUM COLLECTIONを聴いて

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音楽千夜一夜第348 回

 

 

 名ピアニスト、リヒテルの全集というてもRCAとSONYに録音したものの全部なので18枚しかないが、その中には彼が西側にデビューした1960年のカーネギーホールでのライヴ録音が含まれていて聴きごたえがある。

 

 恐らくリヒテルのアメリカ公演は、それに先立つ1957年のグレン・グールドソ連公演と同じような衝撃を、それまで交渉のなかった東西両陣営の聴衆に与えたのであろう。

 

 コンピレーションの冒頭は1960年のアメリカ初録音で、ブラームスのピアノ協奏曲をエーリッヒ・ラインスドルフがシカゴ交響楽団と劇伴しているが、リヒテルの独奏はもちろんラインスドルフの棒が素晴らしい。

 

 私もいろんな組み合わせでこの難曲を聴いてきたが、これまでのところこれが最高の演奏ではないだろうか。

 

 バーンスタインの代役として1978年に来日したラインスドルフ&NYフィルの来日公演も実に立派な演奏で、7月4日の独立記念日を記念し冒頭に鳴らしたスーザの「星条旗よ永遠なれ」は、楽員の純白のユニフォームと一緒に時々私の夢に出てくる。

 

 

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