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蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

「ザビーネ・マイヤー管楽アンサンブル・ボックス」を聴いて

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音楽千夜一夜第349回

 

 ザビーネ・マイヤーをバイエルン放響から引き抜いてベルリン・フィルに入団させようとしたのは亡くなったカラヤンだったが、当時の団員全員の意思で否決された。その理由は楽団の管楽に必要とされる「厚みと融合性に欠ける」ということだったが、彼女のその後の演奏を聴いてみるとそんなことはなく、団員のいわれのない差別意識ゆえであったことが今となっては良く分かる。

 

 エリート意識に凝り固まった彼らは、格下!楽団の、若い女性の!クラリネット奏者を、あの名人カールライスターと同格の!首席につけるなんて、到底許すことができなかったのだろう。

 

 ここに収められた彼女が主宰する管楽アンサンブルによるモザールやベートーヴェンドボルザークなどの7枚のCDでの演奏でも、メンバーたちとリラックスしながら融合する彼女の部厚いクラリネットをたっぷり楽しむことができる。

 

 

富裕層というものが宝籤に当たれば誰でもなれるものであればいいのだけれど 蝶人