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蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

家族の肖像 その8~「これでも詩かよ」第161番

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ある晴れた日に 第341回

 

 

「お母さん、輸血ってなに?」

「怪我をしたときに他の人の血を入れることよ」

宇宙戦艦ヤマトの島大介さん、輸血したお」

「そうなの?」

 

「マコトさんとファミリーナの田中さん、好きだお」

「マコトさんってお父さんのこと?」

「そうですよ」

「ありがとう」

 

「お母さん、向こう岸てなに?」

「川の向こう側のことよ」

 

「キョウコさんが、気をつけてお茶飲むのよと言ったお」

「誰が?」

「キョウコさんが」

「ああ、亡くなったおばあちゃんがそういったのか」

 

「お父さん、トシヒコちゃん結婚したの?」

「結婚したよ」

「お父さん、トシヒコちゃん、子供できたの?」

「できたそうだよ」

 

「鎌倉郵便局は本局だお。しばらくお待ちください。ただいま修理をしております。

 ぼく、鎌倉郵便局の真似をしたお」

 

「お父さん、こちらこその英語は?」

「ミー、トゥかな?」

「こちらこそ、こちらこそ、こちらこそ」

 

「ハッピーバースデイ歌いますお」

「今日は耕君のお誕生日だからね。お父さん、お母さんと一緒に歌いましょう。耕君は何歳になりましたか?」

「41歳だお」

 

「さて耕君、今日の晩御飯はなんでしょう?」

「分かりませんよ。なにがつくもの?」

「ヒがつくものよ」

「ヒ、ヒ、ヒレカツ!」

「あたりー!」

 

 

   狂信が君を殺して我殺しアラーを殺して世界を殺す 蝶人