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蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

戦争映画をみる

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闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.941、942、943、944

 

 

○ケヴィン・マクドナルド監督の「第九軍団のワシ」をみて

 

英国に侵入したローマ軍第九軍団がワシの軍旗を奪われて全滅。その軍団長だった父親の敵を息子がうつ歴史戦争ものずら。

 

当時はイタリアが先進国で英国が野蛮な後進国だったが、二〇〇〇年後の現在ではその差は無くなった。文明は野蛮人を都会人に変えるが、個々の人間の中味はまったく変わらない。

 

ブライアン・シンガー監督の「ワルキューレ」をみて

 

1944年7月のヒトラー暗殺計画「ワルキューレ」を主導した大佐(トム・クルーズ)の悲劇的な生涯を描く。

 

まあ後になってみれば「ドイツの良心」と呼ばれてもおかしくない英雄的な人物だと思うが、あのよう圧倒的ナチ独裁時代に己のすべてを犠牲にして「正義のテロ」に挺身できたもんだと驚嘆のほかはない。

 

私のように因循姑息な人間は逆立ちしたって出来ないだろう。

 

 

○ジル・パケ=ブランネール監督の「サラの鍵」をみて

 

ナチ占領下のパリでヴィシー政権が行ったユダヤ人狩りと収容所送りを背景に描いたある一家の悲劇を描いている。

 

パリ3区のマレ地区の住人は語る。「ユダヤ人たちが強制連行されていくのを黙って見ていたといわれても、私に何が出来たでしょう?」

 

然り、然り。否、否。大衆の目の前で、歴史はいつもこのように転回する。

 

 

エドワード・ズウィック監督の「ディファイアンス」をみて

 

第2次大戦中にドイツに占領され村を追い出されたポーランドユダヤ人たちの「果敢な挑戦」を伝える史実に基づいた劇映画ずら。

 

父母子兄弟を虐殺された村人たちは三々五々森の中に逃げ込むのだが、最初はバラバラだったが次第に反ナチ戦闘集団として組織化されてゆく過程が興味深い。

 

この映画では実力を備えた有能な指導者のおかげで1200人ものユダヤ人が生き残ったが、極東のどこかの国とはずいぶん様子が違ったようだ。

 

途中まで共闘するソ連軍のユダヤ人差別がくっきりと描かれている。

 

 

「目には目を」叫びあまねく世に満ちて再び手に取る井筒訳『コーラン』 蝶人