蝶人戯画録

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2015-12-21から1日間の記事一覧

加藤典洋著「戦後入門」を読んで

照る日曇る日第833回 刻一刻と変遷する「戦後」像を最終的に定義しようとする著者渾身の力作である。 これまでの著者の著述は、どちらかというと原理論の展開に論考の主力が注がれていた。輻輳する政治社会の問題点をそもそもの淵源に遡って独自の視点で…