2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧
ある晴れた日に 第255回 なにゆえに私の記憶は失われてゆくキャベツの皮がはがれてゆくように なにゆえに真昼間からウナギはくねくね踊ってる健ちゃんに元気な姿を見せるため なにゆえに丁寧に説明しますなどとカッコつけてるはなから譲る気はないくせに …
西暦2014年水無月蝶人狂言畸語輯&バガテル-そんな私のここだけの話op.183 北海道で柴犬が身を賭して熊を追い払ったそうだが、当然のことだ。可愛いだけの世のアホ莫迦洋犬と違って、飼い主の言語と意思と恩義を解する彼らは、主人の生命の危機を察知し…
bowyow cine-archives vol.683 あの有名な「サンライズ、サンセット」の歌が鳴り響くこの長すぎる映画は、主人公の娘たちの嫁入り話と帝政ロシアのユダヤ人迫害が2大テーマとなっている。 ノーマン・ジュイソンの演出はかったるいが、ジョン・ウイリアムズ…
bowyow cine-archives vol.682 ベトナム戦争で負傷し、この戦争の醜い本質を知ったボイトが、平凡な人妻ジェーン・フォンダに惚れて「君は美しい」と言いながら抱くのであるが、正直いって私はこのひとは人間より猿に似ていると思っているので、ボイドのよう…
bowyow cine-archives vol.679、680、681 どんなものでも愛車のアウディに乗せて言うがままに配達する運転手ジェイソン・ステイサムがボンドをしのぐスーパーマンぶりを見せる。毎回のようにお決まりのカーチエースがあり、それほどのイケメンとも思えないが…
照る日曇る日第724回 タイトルの「メタモルフォシス」とそれ以前に書かれた「トーキョーの調教」の2作を収めている。いずれも正真正銘?のSM小説で、実体験?と徹底的現場リサーチを生かした迫真的興奮?を味わえる異色作である。 「トーキョーの調教…
bowyow cine-archives vol.678 スティーヴン・キングの原作によるホラー・サスペンスであるが2時間にわたってたっぷり怖がらせ、楽しませてくれるよくできた見せもの映画である。 流行作家を拉致監禁してしまうキャシー・ベイツの恐ろしさも可愛らしさも、…
ある晴れた日に第254回 モンシロ、モンキ、アゲハチョウ さよならあんころもち、またきなこ 月光仮面は誰でしょう のぶいっちゃんとひとはるちゃん シンデレラはもう死んでれら 悪い奴らを退治せよ! 空から山へ、山から川へ、川から街へ どどしし、どっ…
bowyow cine-archives vol.677 いわゆるひと夏の恋と情事を描く青春ダンス映画なり。 60年代のアメリカは保守的ではあったが、若者たちの風紀がそうとうに乱れかけていたことを象徴するような映画で、とりわけ男女が腰を密着させてお互いに激しくクネクネ…
bowyow cine-archives vol.676 世界的人気歌手のボディガードという題材は興味津津だが、ローレンス・カスダンによる脚本がエグすぎるのが問題だ。 依頼主と関係を持ったり、歌手の実の姉が妹の殺人を依頼したり、しまいにはアカデミー賞の授賞式で撃ち合っ…
bowyow cine-archives vol.675 冒頭の画面があまりにも暗いので、マーラーの「大地の歌」の「生も暗い、死もまた暗い」のくだりを思い出したが、最後まで暗い映画だった。 ちょんぼでピストルを奪われたNYの刑事リチャード・ウィドマークが、おのれの死と…
bowyow cine-archives vol.674 イングランドに反旗を翻し、スコットランド独立をめざす武装闘争を挑んだ主人公ウィリアム・ウォレスが、不幸にも悪巧みによって1305年に捕えられ、拷問刑で斬首される残虐シーンには胸が痛む。 私なんかだったらあんな酷…
bowyow cine-archives vol.674 イングランドに反旗を翻し、スコットランド独立をめざす武装闘争を挑んだ主人公ウィリアム・ウォレスが、不幸にも悪巧みによって1305年に捕えられ、拷問刑で斬首される残虐シーンには胸が痛む。 私なんかだったらあんな酷…
bowyow cine-archives vol.671、672,673 悪家老と商人の癒着とか、おなじみの権力闘争とかのあらすじはどうでもよろしいが、若き日の中村玉緒の妖艶なこと。 愚かな浅知恵の人妻に扮した玉緒を市川雷蔵が犯すところを、もっとじっくり描いて欲しかった。 「…
ある晴れた日に第253回 ニッポン、ニッポン、 アジアの果てのちっぽけな国、ニッポン 君は今日から、永世中立国として生まれ変わった。 君は今日から、国民主権の共和国として生まれ変わった。 君は永世中立国だから、もう軍隊は要らない。 君は共和国だ…
bowyow cine-archives vol.670 ブルックリンでイタリア系の白人が経営するピザ屋を舞台に、ふとしたはずみで黒人たちの暴動が惹起するありさまを、才人スパイク・リーが主演、脚本、監督、制作している1989年の作品。 人種、国籍の異なる数多くの登場人…
照る日曇る日第724回 文学作品としての「日記」の意義に着目して、旧態依然たる日本文学の世界を更新した著者による自伝の決定版です。 「つひに無能無芸にして只此一筋に繋る」という芭蕉の「笈の小文」の有名な一節が巻頭に掲げられているこの大著は、…
bowyow cine-archives vol.668&669 「ブラザーズ・グリム」は、2005年に英国で制作されたギリアムお得意の幻想的冒険譚なり。 童話で有名なグリム兄弟が登場して大活躍をするというわけだが、テリー選手もなんと今年で73歳。 いろいろ同工異曲の色物に…
bowyow cine-archives vol.667 ケイト・ブランシェット扮する初代エリザベス女王が海賊ウォルター・ローリーに惚れつつも、アルマダの海戦でスペインの無敵艦隊を打ち破り、メアリーを処刑し、王としてのつらい責務を果たしていく天晴れ女の花道物語。 では…
照る日曇る日第723回 異才橋本治選手が28歳になったOLのヒロインになり変って、結婚について、ああでもない、こうでもないと悩んで悩んで考え抜く哲学小説なり。 確かに結婚は人世の一大事件であるが、あれはヒロイン=著者のようにぐちゃぐちゃと考…
照る日曇る日第722回 著者の初期の習作を中心に芥川賞を受賞した「岬」までをセレクトしたもので、著者が作家として自立してゆくまでの軌跡がまざまざと読み取れる。 著者が中上健次となりおおせたのは、「十九歳の地図」の「蝸牛」あたりで、それ以前の…
音楽千夜一夜第333回 &ある晴れた日に第252回 エリー・アメリングの声は、限りなくやさしい。 それは、隣の家の太ったおばさんの声だ。 シューベルトの「楽に寄す」は、青空のてっぺんでさえずる雲雀の鳴き声。 音楽に生きる喜びを全身全霊で歌ってる…
bowyow cine-archives vol.666 夫アルバートに死なれていつまでたっても国政の現場に復帰できない英国のヴィクトリア女王を、アルバートの馬係であったブラウン選手が乗馬や散歩や水泳などで元気を取り戻させ、のみならず女王の恋人(だから原題は「ミセス・…
bowyow cine-archives vol.665 原題は「若きヴィクトリア」で、偉大な女王の少女時代、そして夫アルバート公との愛の思い出を描いている。 これは2009年の英米共同製作の映画であるが、ウィキによれば発案者はアンドルー王子の元妻らしい。王室や女王の…
照る日曇る日第721回 「裏声で歌へ君が代」「樹影譚」の2作をおさめた本巻ですが、なんといっても前者のタイトルが気になります。 しかし読んでみると、君が代とか日本国とかについての大上段の政論は登場せず、そのかわりに画商の主人公の友人である台…
bowyow cine-archives vol.664 原題は「保安官をみんなで助けよう」であり、内容もその通りの話なのに、なんでこんな奇妙な邦題になるんだろう。いっそ「夕陽が丘に立つ保安官」にしてもらいたい。 ちなみに私の郷里の夕陽が丘には、祖父の建てた巨大な十字…
ある晴れた日に第251回 西暦2014年6月29日午後1時、 君は、東京都新宿区西新宿1丁目のJR新宿駅南口の歩道橋に姿を現す。 一張羅のスーツに身をつつんだ君は、肩から拡声器をぶら下げ、 両手には2本のペットボトルを持ったまま、地上10メートル…
bowyow cine-archives vol.662&663 若い二人は愛し合う若い二人が親に結婚の許しを得ようと四苦八苦するコメディなり。 されど親の主人公のベン・スティラーの顔が良くないし、(大嫌いだということ)、恋人役のテリー・ボロもてんで魅力がないし、肝心のデ…
bowyow cine-archives vol.660&661 ブルース・ウィルスが大活躍をする2本の活劇映画で原題は「Nothing Lasts Forever」であるが、これを邦題のように変更したのはこの映画に限って許すことにしよう。 両方ともほんとうは無力であるはずの1個人(本当はN…
bowyow cine-archives vol.659 父親を殺されたしっかり者の娘が、連邦保安官のジョン・ウェインを雇って目出度く敵討をするという1969年の映画です。 腕は確かだが酒飲みでなまけもの者風のウエインがだんだんヒロインの女の子に本気で肩入れをしていく…