蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

ハル・アシュビー監督の「帰郷」をみて

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bowyow cine-archives vol.682

 

 

ベトナム戦争で負傷し、この戦争の醜い本質を知ったボイトが、平凡な人妻ジェーン・フォンダに惚れて「君は美しい」と言いながら抱くのであるが、正直いって私はこのひとは人間より猿に似ていると思っているので、ボイドのような気持ちには到底なれなかった。

 

彼女の父親はジェーンより遥かに優れた役者だが、彼もとちらかというと猿に似た風貌をしており、別にそれがいけないとか非難しているのではないが、ときどきひどく気になるのであえて書き遺しておいた。

 

背中を背後から敵に撃たれて車椅子の人となってしまったボイトだが、幸いにも性器はやられていなかったので、ジェーンに対して大きな喜びを与えることができた。

 

このシーンでの彼女の演技は迫真に迫る者があったが、コキュとなってしまった彼女の夫が軍服を脱ぎ捨てて海に向かっていくラストは素直にうなずけないものがあった。

 

 

  なにゆえに彼女は発作を起こすのか私が彼女をいじめたから 蝶人