2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧
ある晴れた日に 第77回 現金をゴミ箱の中に捨てていた不思議の国に生きている息子金捨てる息子の生きる不可思議な世界を知りてまた驚きぬ横顔が母に似ているなと思いながら息子の顔を見ている私の顔障碍を持つ長男の髪を切る鎌倉2小の同級生かな私と障碍の…
bowyow megalomania theater vol.110月29日お母さんが、弟の純君を叱りました。 「こらっ、純。もっとちゃんとご飯を食べなさい」 僕も言いました。 「こらっ、純。もっとちゃんとご飯を食べろ!」 そして、僕は、純がちゃんとご飯を食べないし、お母さ…
bowyow megalomania theater vol.1 10月28日 曇今日は朝から風邪気味でした。具合がとても悪いので、流れてきた「イチョウまんじゅう」の箱をぼんやり眺めていたら、突然目から火が出ました。現場監督の長島先生が僕をぶん殴りました。僕の頭をぐあんと…
照る日曇る日 第360回どうやらこの人はいいしれぬ苦悩に陥っているようです。そうして、それがどういう苦しみであるのか、またその苦しさがどこからやって来たのかについて、この人の苦難に満ちた来歴が、あるいはまたその絶望的に悲惨な日常生活の断片が…
bowyow megalomania theater vol.1 10月27日星の子学園に行きました。僕の住んでいる街でいちばん有名な「イチョウまんじゅう」の箱を折りました。流れ作業です。最初にのぶいっちゃんと洋子がタテ折りだけして、次にひとはるちゃんと文枝がヨコ折りして、そ…
茫洋物見遊山記第35回&ふぁっちょん幻論第60回更紗と聞けば、♪スカンポ、スカンポ、ジャワ更紗という歌を遠い日にどこかで聞いたことを反射的に思い出します。調べてみると北原白秋作詞、山田耕作作曲の「酸模の咲く頃」という小学唱歌でした。正式には…
バガテルop128&鎌倉ちょっと不思議な物語223回今日も朝から猛烈な暑さです。午後の遅い時間に、例によって家族3人で、今年3回目の海水浴に出かけました。由比ヶ浜の海岸には黄色い旗が立っていました。それほど波が高くないのにどうしてだろうと思…
照る日曇る日 第359回どうやら作者にはいわゆる「発達障碍」の子どもが身内に居るようで、その切実な個人的な体験が、偉大な「ドンキホーテ」を想起させるこの気宇壮大な哲学的ファンタジー小説を生みだしたことは間違いないようです。作者自身を思わせる…
照る日曇る日 第358回現代ドイツ文学の最高峰の若書きとしてあまねく人口に膾炙する本作ですが、いったいどこがどう面白いのか理解に苦しみます。3歳の時に地下室に転落して以来成長を拒否した主人公が故郷ダンツヒを舞台に第2次大戦の戦中戦後をアクロ…
♪音楽千夜一夜 第152夜ショパンと並んで今年はロベルト・シューマン(1810-1856)の生誕200年記念に当たるためにこのような大きなコレクションが続々発売されています。交響曲はガーディナーと革命浪漫交響楽団の演奏ですが、ロマン派を古楽器で演奏す…
バガテルop127謹んで暑中お見舞い申し上げます。こんなに暑いと自分の脳力ではなんにも考えられないので、本日は以前日経の夕刊コラムで国際高等研究所の尾池和夫さんが東大大気海洋研究所の西田睦所長のお話にもとづいて書かれていた「ニホンウナギの記…
bowyow megalomania theater vol.1小さな滝から冷たそうな水が次々に流れ落ちて、小さな滝つぼをつくっています。滝つぼの上にももみじ色をしたもみじがいっぱいたまっていて、ほとんど水が見えないくらいでした。その、もみじの葉っぱを見ていてもぜんぜん…
bowyow megalomania theater vol.1 10月26日 雨 白いつぶつぶを混ぜた、変な雨が、ざざあ、ざざあ、と降って来ました。僕は、じんせいがいやになってきました。すべてのことが、いやになってきました。星の子学園が、いやになってきました。僕は、僕のことも…
♪音楽千夜一夜 第151夜引き続きモンテヴェルディの音楽を聴いています。1989年5月にモンテヴェルディゆかりのヴェネツイアのサンマルコ大聖堂で、エリオット・ガーディナーがイングリッシュバロック・ソロイスツと創立25周年を迎えたモンテヴェルディ合唱…
照る日曇る日 第357回第1巻がこの間出たと思ったら、もう第3巻でちょっと民主党の小沢を思わせる政敵右大臣の愛娘朧月夜の尚侍をまたしてもやってしまった源氏は、そりゃあんまりだ、当然の酬いだという訳で哀れ須磨に流されてしまいますが自業自得身か…
照る日曇る日 第356回「ニコライ遭難」「ポーツマスの旗」「白い航跡」の3冊の本を1巻におさめた最終巻をやっとこさっとこ読了しました。帝政ロシア最後の皇帝ニコライ2世の皇太子時代の大津事件を扱った「ニコライ遭難」は、当時この暗殺未遂事件がい…
照る日曇る日 第355回57歳で逝った妻を悼む鎮魂の書です。著者の7歳年下の川本恵子さんは服飾評論家として知られていましたが、突然食道がんを患い、大手術の甲斐もなく次第に弱ってしまいとうとうラーメンを食べることすらできなくなります。「再々入…
♪音楽千夜一夜 第150夜前夜に引き続いてモンテヴェルディの歌劇を鑑賞しました。これは1985年夏のザルツブルグ音楽祭でのライブを収録したもので、演出は正統派のミヒャエル・ハンペ、そしてジェフリー・テイト指揮のオーストリア放送管弦楽団が手堅…
♪音楽千夜一夜 第149夜 1979年に天才的演出家のジャン・ピエール・ポネルがアーノンクールと組んでチューリヒで行ったモンテヴェルディの素晴らしい蘇演ビデオです。モンテヴェルディは1567年に生まれて1643年に死んだイタリア・バロック初期…
♪音楽千夜一夜 第148夜 懐かしやハンガリーの歌姫シルビア・シャーシュによるバルトークの傑作オペラです。しかも作曲者も、指揮者も、青ひげ公役のコロシュ・コヴァーチエも、もちろんシャーシュもハンガリー人という完全なお国もののラインアップ。そこ…
照る日曇る日 第354回 シリーズ第2作目では若山牧水、広津和郎、島木赤彦、斎藤茂吉、志賀直哉、里見紝、宇野浩二、有島武雄など「大正の作家たち」が次々に俎上に載せられ、彼らの女性関係が赤裸々に描かれます。園田小枝子と別れ、太田喜志子を得てよ…
闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.32 当年とって御歳101歳!というおそらく世界最長老のポルトガルの現役映画監督の「100歳の時の作品!」を試写会で鑑賞しました。まず前座にオリヴェイラ監督が好きなJRゴダールの1958年の短編「シャルロ…
照る日曇る日 第353回鶴岡八幡宮の大銀杏の陰から躍り出た公暁の兇刃にかかって三代将軍実朝が暗殺されたのは建保7(1219)年1月27日の雪降る朝のことでした。甥の公暁がなぜ叔父を殺そうとしたのか昔から様々な説が乱れ飛んでいますが、実朝の兄頼家…
♪音楽千夜一夜 第147夜 これまでカルロ・リッツィという人はあまり聴いたことがなかったのですが、なかなかオペラには適した指揮でネーデルランドの管弦楽団を鮮やかにドライヴしています。幕ごとに乗りが良くなってくるこの見事な伴奏を下敷きにして、悪…
茫洋物見遊山記第34回&勝手に建築観光39回 最近買ったばかりのパナソニックのブルーレイレコーダーの電源が勝手に入ったり、やくざと一体化した相撲界がてんやわんやの大騒動になったり、せっかく小沢と鳩山がおん出てくれた政党でなにを勘違いしたのか…
♪音楽千夜一夜 第147夜 オペラの演出家で私が一等好きなのはジャン−ピエール・ポネルです。彼はモーツアルトの超若書きのこのK84の「オペラの試み」といってよい作品においても正統的な環境整備と劇的な表現を巧みに組み合わせて現代人の鑑賞に堪えるリ…
♪音楽千夜一夜 第146夜 1980年4月にミュンヘン国立歌劇場でライブ収録されたLDの映像です。ベーム翁はこのあと思い出のウイーンでフィガロを振ったあと翌81年8月14日にザルツブルクで亡くなりましたから、これは最期から2番目の白鳥の歌とい…
闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.31現在NHKで放映されているお馴染みの海外ドラマ番組です。原題:DESPERATE HOUSEWIVES、制作:チェリー・プロダクションズ/ABCスタジオ(2008年 アメリカ)ですが、面倒くさいので以下番組HPから引用します。 …
闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.30原題のAll That Heaven Allows(邦題「天はすべて許し給う」という言い方がAll ThatJazzとか私の造語であるAll That Fashionに似ていて恰好が良いのでついつい視聴してしまいました。1955年製作のアメリカ映画で…
照る日曇る日 第352回なかなかに味わい深かった第一巻に続いて、本巻では末摘花、紅葉賀、花宴、葵、賢木、花散里の各編をすいすい読ませる快適な現代日本語にほんやくしおおせ、凡百の源氏研究家との違いを見せつけました。とかく源氏は難物で、真面目な…