蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

梟が鳴く森で 第2部たたかい 第11回


bowyow megalomania theater vol.1

小さな滝から冷たそうな水が次々に流れ落ちて、小さな滝つぼをつくっています。

滝つぼの上にももみじ色をしたもみじがいっぱいたまっていて、ほとんど水が見えないくらいでした。その、もみじの葉っぱを見ていてもぜんぜんこころが静まらないので、僕は石をつかんで滝つぼに投げ入れました。

でも、滝つぼは、ぼちゃんといったまま知らん顔をしています。
僕は頭にきて、ふたつ、みっつと石を投げ入れました。

ふと気がつくと、散歩にやって来た滝沢のおじいさんと秋田犬のシロが、滝の手前のところでじっと僕の方を見ています。変な目つきで見ています。

それで、僕はシロに咬みつかれるとヤバイと思って、いっさんに家の方まで駆けて帰りました。逃げて帰りました。

帰りましたけど気持ちは炭のように真っ暗で、身体のすみずみまでなにか膿のようなタンのようなものでぬりたくられているような気がしました。汚されているように感じました。

僕は、これからどうなっていくんだろう? 自分で自分のことが、分からない。

少し怖くなりました。


♪大股を開いてメール打つガンガン娘は災いなるかな 茫洋