2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧
♪ある晴れた日に 第84回 Go ahead, Make my day!ドラ猫が見毛猫にいきまく冬の昼下がり明らかに私のことを胡乱な奴と思っているはず二匹の猫二匹の猫に見下ろされながら咳二つ聖キリストにはならえなくとも楽聖のベートーヴェンならならいたいな僕ゆるや…
照る日曇る日 第406回ここに綴られている日本語表現がきわめて精妙でニュアンスに富み、これまで日本文学が蓄積してきた数多くの文化遺産の自由自在な引用から成り立っていることは間違いない。 また著者の文学的教養とその大脳前頭葉へのくりこみの錬度…
闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.81澤井監督の、というよりは角川春樹の、薬師丸ひろ子による1984年製作の青春映画である。夏樹静子の原作なぞはどうでもよいが、実際ここには当の春樹をはじめ、仲谷昇、三田村邦彦、南美江、三田佳子、世良公則、…
闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.801966年公開の大映映画で、原作は三浦綾子。当時の朝日新聞に連載されて話題になったが、いくら「汝の敵を愛せよ」をうのみにする正義漢?でも、自分の娘を殺した犯人の娘をわざわざ養女に迎えるような親(船越英…
闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.79ご存知ビートルズのジョン・レノンの100時間におよぶインタビューと過去の映像を編集して完成したファン必見の1998年製メモリアル映画です。リバプールのライブハウスでうろうろしていた彼ら4人組が世界のト…
闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.78 ヒッチコック監督の1954年の「裏窓」が冷女グレース・ケリーを称揚する映画だったとするなら、この1958年の作品は冷暖房女、キム・ノヴァクの祭壇に額ずくためにヒッチガ作ったフェチシネマです。 「裏窓」…
照る日曇る日 第405回生活に窮し、未来に絶望して死にたくなった若者ヤスオが、デパートの屋上庭園から飛び降り自殺を試みたが、たまたま居合わせた医療法人全日本ドナー・レシピエント協会の特別コーディネーター京谷に一命を救われる。そして京谷は、ど…
闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.77 1964年製作の「魂のジュリエッタ」とはすなわちフェデリコ・フェリーニの愛妻ジュリエッタ・マシーナの魂について映画監督である夫が幻想と想像と創造と妄想を逞しくした映像による所産であろう。 仕事で多忙の…
照る日曇る日 第404回この人も「シューマンの徒」であると知って勇んで手に取ったのです。ずいぶんシューマンに親炙されたようではじめのうちは喜びを覚えつつ頁をめくっていました。ところがこの本は私が勝手に予想していたシューマンの伝記小説ではなく…
闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.76ゴダールの59年の長編処女作「勝手にしやがれ」は、オットー・プレミンジャーの「悲しみよこんにちは」における冷酷な仕打ちにこりごりしていたジーン・セバーグちゃんと、当初ゴダールを黒眼鏡のホモだと思って毛…
闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.75マルコ・ヴィカリオ監督の「黄金の七人」がロッサナ・ポデスタを賞味するマカロニ映画であったとすれば、これはいちにも二にもあまりにも美しすぎるグレース・ケリーを鑑賞する映画です。衣装はオードリー・ヘプバー…
闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.74 第1次大戦が勃発し、その余波はアフリカの奥地まで及ぶ。宣教師の兄とともに原住民に讃美歌のオルガンをひいていたイギリスの年増の尼僧キャスリーン・ヘプバーンが、彼らの教会や住民の粗末な小屋を焼き払い捕虜…
音楽千夜一夜 第178夜フルトヴェングラーがバイロイトでウイーンフィルを指揮する「ドン・ジョヴァンニ」のあとで、まるでグリコのおまけのように放送されたのが、この番組でした。これは一九四〇年代から五〇年代にかけてNBCスタジオやカーネギーホー…
音楽千夜一夜 第177夜1954年8月のザルツブルク音楽祭の折にパウル・ツインナー監督の手で映画収録された歴史的演奏を最新のハイヴィジョン・マスター版でみることができました。 なんといっても冒頭の序曲を福禄寿のようなフルヴェンご本人が指揮す…
闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.73ドンナ監督だかいっこうに知らないが、ともかくおそろしく凡庸な監督が作った超くだらない銀行泥棒のサスペンス映画であるが、スリルもサスペンスも全然ない。見るだけ時間の無駄だし、げんに私もこの下らない正編…
照る日曇る日 第403回 舞台は、少子高齢化と階級分化がどんどん進行した22世紀の日本です。海外から移民を迎え入れて労働と人口の生産性の低下を防ぎ、移民を含めた下層階級と中間層を一部の最上層と上層階級が国家全体を、階層別に効率的に管理運営する…
照る日曇る日 第402回 貧困は男根ですよと言い切るとき団塊オヤジきみの脚をみているなどという野放図な狂歌を軸にしてでたとこ勝負の法螺吹き噺が、それこそ疾風怒濤の勢いで、なおかつ鼻歌交じりに繰り広げられる、非常にノリのよいパンク小説である。…
照る日曇る日 第401回当代一流のものかきによる初めての俳句集です。いくら優れた小説家でも俳句の本なんてそうは簡単に出せないでしょう。出した出版社もえらいけど、出してもらった作家は、してやったりとニコニコするでしょう。だから「機嫌のいい犬」…
照る日曇る日 第400回 同じ村上でもハルキさんが大活躍なのにライヴァルのリュウさんはつまらん経営者PRテレヴィにばかり出ていったい何をしているんだろうと思っていましたら、どっこいすんごい小説をひそかに書き続けていたんですね。 つねに時代の最…
闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.721983年にクリント・イーストウッド監督が主演製作した「ダーティハリー4」では、ならず者たちに暴行された女性ソンドラ・ロックの犯人への復讐がテーマになっています。いたいけな妹ともども遊園地の回転木馬の…
闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.71 「敬愛なるベートーヴェン」という訳のわからない邦題をつけたのは、東北新社という配給会社のド阿呆。「敬愛」は名詞で形容動詞ではないから、このれっきとした誤用では楽聖を尊敬するどころか日本文化全体をコケ…
闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.70 ニノ・ロータの哀愁あふれる「ジェルソミーナ」がいつまでも耳に残る悲しい愛の物語です。なんといってもけだもののようなアンソニー・クインとノータリンで無垢なジェリエッタ・マシーナの組み合わせが絶妙。そこ…
闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.69&音楽千夜一夜 第176夜 1965年製作の、市川雷蔵主演のシリーズ第6作。柴田錬三郎の原作を安田公義監督が映画化しましたが、高峰を知るためには谷底を這いずりまわることも必要、という茫洋格言を地でいくよ…
照る日曇る日 第399回 いよいよその運命の日が近づいてくると、著者の筆が鈍って、書きたくないという。その気持ちは分かるが、こういう史伝は初めて読んだ。この人は、志半ばで倒れた男、自分が惚れこんだ男を、いっかな死なせたくないのである。「維新…
照る日曇る日 第398回 福田善之といえば「真田風雲録」。その主題歌を「てんでかっこよく死にたいな」なぞと高歌放吟しながら機動隊に突っ込んでいった昔もあったわけですが、どっこい「袴垂れはどこだ」の当のご本人が健在で、幕末の志士中岡慎太郎を主…
闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.682006年に製作された特捜刑事マイアミ・バイスの映画版である。冒頭から画面はダークで誰が何をしているのやらさっぱりわからない。ジョン・マーフィーの音楽も輪をかけて暗い。犯罪都市マイアミの悪徳を描くB級…
照る日曇る日 第397回 昨年のユネスコの調査によると、世界ではおよそ6000の言語があるそうですが、そのうち約2500の言葉が、絶滅の危機にあるそうです。日本ではあの金田一さんが研究なさったアイヌ語の話し手が、いまやたった10人になってし…
闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.68偉大なる飛行家であった大富豪ハワード・ヒューズの半生を名監督のマーチン・スコセッシが見ごたえのある映画に仕上げています。史上最大の水上輸送機ハリキューズやゼロ戦に似たデザインの高速機などの設計統括に携…
♪音楽千夜一夜 第175夜 新春の気分にあうか合わないか分からないが、ともかく見たのはこのNHKの録画。2009年10月24日のメトロポリタン歌劇場のライヴで幕間にルネ・フレミングが出演者にインタビューするというおまけ付きです。表題役をヴィオレ…
♪音楽千夜一夜 第174夜 旧年中からの仕事で、大晦日も元日もなくひたすらパソコンに向かっている2011年の幕開けですが、そういいながらもちゃんとNHKの音楽番組はチエックしておりました。先ずは2009年のベルリンフィル恒例のシルべスター・コ…