蝶人戯画録

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2011-01-08から1日間の記事一覧

福田善之著「草莽無頼なり」下巻を読んで

照る日曇る日 第399回 いよいよその運命の日が近づいてくると、著者の筆が鈍って、書きたくないという。その気持ちは分かるが、こういう史伝は初めて読んだ。この人は、志半ばで倒れた男、自分が惚れこんだ男を、いっかな死なせたくないのである。「維新…