蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

西暦2010年如月茫洋花鳥風月歌日誌

ある晴れた日に 第71回 90爺マーチを駆って高速逆走犬よりも猫に好かれる男かな横須賀や戦争反対南無妙法蓮華経横須賀やヤンキーも詣でる地蔵尊ボロボロと歯が欠けてゆく2月かな死んでしまえばすべて終わりだよ山本耀司 物言えば唇寒し民社党がっつりと見…

嫌な感じ

バガテルop123&茫洋広告戯評第10回&鎌倉ちょっと不思議な物語第210回 五輪には五輪書ほどの興味もないのですが、TVKと教育テレビ以外のどこのチャンネルも朝から晩まで狂った様にパン食ったとか晩食う婆とか絶叫しているのでほとほと嫌気がさして…

キーロフ劇場バレエ団のDVD「白鳥の湖」を見て

♪音楽千夜一夜第112回キーロフ劇場は現在マリインスキー劇場のソ連時代の名前。スターリンに消された革命家にちなむネーミングらしいのですが、この劇場のバレエ団が白鳥の湖を踊ったDVDが500円で叩き売られていたので、すかさず視聴してみました。…

「吉村昭歴史小説集成」第七巻を読んで

照る日曇る日第328回 あの有名な「ターヘル・アナトミア」を翻訳した前野良沢を主人公とした「冬の鷹」、医師高松凌雲と松本良順の波乱に満ちたそれぞれの生涯を描いた「夜明けの雷鳴」、「暁の旅人」など、いずれも江戸時代の医学関係者を取り扱った評伝…

映像狩りをするミクシィ、言葉狩りをする楽天

バガテルop122このままにしておくと度忘れしてしまいそうなので、書いておきます。つい先日のことですが、ミクシィ事務局から突然メールが舞い込んできました。「貴殿が掲載した写真がけしからんので削除した。以後注意するように」という無礼な内容です。…

デニス・ラッセル・デービス指揮シュトゥットガルト室内管弦楽団でハ

♪音楽千夜一夜第111回デニス・ラッセル・デービスは、なんと10年の歳月を費やしてカール・ミュンヒンガーが創立したシュトゥットガルト室内管弦楽団を指揮してハイドンの交響曲の全曲録音を果たしました。これは昨2009年のハイドンイヤーにもっともふさわ…

東国博で「国宝土偶展」を見る

茫洋物見遊山記第16回&♪ある晴れた日に第71回これだけはなにがなんでも見ておかねば、と重い腰を振り起こして早朝の上野くんだりまででかけたら一面の雪でした。大英博物館から帰国したばかりの縄文時代の土偶たちがおよそ六〇点並んでいました。縄文の…

大江健三郎著「水死」を読んで

照る日曇る日第327回久しぶりにノーベル賞作家の最新作を読みましたら、これが案に相違してとても面白く読み応えがあったのでびっくりしました。はじめは例によって下世話な私小説風なので、やれやれまたですかとあくびなどをしていたのですが、次第に作…

正岡子規と横須賀 横須賀ところどころ第11回

茫洋物見遊山記第15回 海に沈んだ軍艦の記念碑の傍らにおかれていたのは、どういうわけか正岡子規の句碑でした。横須賀やただ帆檣の冬木立明治二一年の八月、21歳の正岡子規は、友人とともに浦賀に上陸し、横須賀・逗子・鎌倉に遊び、この句を詠んだとさ…

帝国海軍の夢の跡 横須賀ところどころ第10回

茫洋物見遊山記第14回横須賀は旧帝国海軍ゆかりの軍港で、港の公園の一郭には大戦で会没した軍人の慰霊塔や軍艦山城、長門、沖島などの鎮魂碑が、訪れる人もなく建ち並んでいます。巨大な舟形をした大理石に刻まれた「国威顕彰」のスローガンを眺めている…

良長院というお寺 横須賀ところどころ第9回

茫洋物見遊山記第13回 どぶ板通りを少し離れて坂道を上っていくと龍谷山良長院という曹洞宗のお寺がありました。曹洞宗は道元が開祖で、のちに禅宗の一派と称されるようになりますが、道元自身はそのような狭いセクショナリズムを排してこれが仏教の正道だ…

ウイリアム・ワイラー監督「ミニヴァー夫人」を見る

闇にまぎれて bowyow cine-archives vol.24ジャン・ストルーザーの原作を、名匠ワイラー監督が1942年に映画化した愛国キャンペーン映画です。当時のアメリカは、日独伊などの枢軸国と戦争のさなかにありました。そこでワイラーも、及ばずながらと腰を上…

大野和士指揮ベルギー王立劇場管でストラヴィンスキー「道楽者のなり

♪音楽千夜一夜第110回 ストラヴィンスキーがバイロイトでワーグナーを見て反発発奮してかいたといわれる20世紀オペラをわが国の若手のホープがドライブしての演奏です。物語のあらすじは、表題通りの道楽者トム・レイクウエル(アンドリュー・ケネディ…

バレンボイム指揮スカラ座管で「アイーダ」を視聴する

♪音楽千夜一夜第109回09年9月6日に行われたスカラ座の来日公演のライブを、録画で見ました。会場はパリのパレ・デ・コングレ、NYのエイベリーフイッシャーホール、両国の国技館と並ぶ世界最悪音響空間の神南馬小屋ホールですが、収録マイクのセッテ…

アレクサンダー・マックイーンの死

ふぁっちょん幻論第57回外電によれば英国のデザイナー、アレクサンダー・マックイーンがロンドンの自宅で 亡くなったそうです。世界でも指折りの非凡なクリエーターであった若冠40歳の孤独な死は、惜しみても余りあるものといえましょう。ロンドンのセン…

渡辺保著「江戸演劇史下」を読んで

照る日曇る日第326回 とうとう最後のページまで読んでしまいました。あとがきで著者は、「この本はもちろん今日の読者のためのものであるが、それ以上に歴史の闇に消えていった多くの人々の霊に捧げたい」と書いていますが、これは嘘偽りなくその通りです…

ゲッティンゲン音楽祭のヘンデル「アドメート」を視聴する

♪音楽千夜一夜第108回2009年5月28日にドイツのゲッティンゲンで行われたヘンデルのオペラ「アドメート」の公演をビデオで見ました。「音楽の母」と称されるゲオルグ・フリードリヒ・ヘンデルの没後250年に当たるヘンデル・イヤーのこの年は、世界…

閉店迫る横須賀さいか屋  横須賀ところどころ第8回

茫洋物見遊山記第12回&ふぁっちょん幻論第56回 吉祥寺伊勢丹、有楽町西武、京都四条河原町阪急など全国各地で百貨店の閉店が相次いでいますが、ここ横須賀でも名門デパート「さいか屋」の大通り店が閉鎖されることになり、地元商圏に暗い影を落としてい…

聖ヨゼフ病院 横須賀ところどころ第7回

茫洋物見遊山記第11回 諏訪大神社の階段を下った坂道の向こうにそびえているのが聖ヨゼフ病院です。もともとは海軍の軍人の病院だったようですが、昭和21年からカトリック女子修道院聖母訪問会という組織に経営が移り、昭和36年に総合病院聖ヨゼフ病院…

格調高い諏訪大神社 横須賀ところどころ第5回

茫洋物見遊山記第10回横須賀の湾を見下ろす諏訪公園の下に鎮座ましますのが、格調高い諏訪大神社です。だいじんじゃではなく、おおかみしゃと発音します。 諏訪大神社の伝承によると、康暦二年(1380)にこの地の領主であった三浦貞宗(横須賀貞宗とも言う…

どぶ板通りのお地蔵様 横須賀ところどころ第5回

茫洋物見遊山記第9回横須賀のどぶ板商店街のちょうど真ん中あたりに赤い門で囲われた岩屋のような一角があります。この奥に安置されている延命地蔵尊は、昔から参拝者が絶えない、霊験あらたかな地蔵尊として知られています。いつ通っても、線香の香りが漂…

横須賀ところどころ

茫洋物見遊山記第8回またしても横須賀にやって来ました。左側の海を見ながらバスに乗って大滝町で降りて右側の道路に入ると、もうそこがどぶ板通りです。もともと横須賀は明治時代から軍港として栄えたのですが、なんとこの道路の真ん中にどぶ川が流れてい…

石渡嶺上司・大澤仁著「就活のバカヤロー」を読んで

照る日曇る日第325回&バガテルop121この本には、企業・大学・学生が演じる茶番劇という副題がついています。企業は優秀な学生を青田買いするために「就職協定」を幾度となく有名無実化してきました。大学側では「教育」が本分であるとうそぶき、就職…

文化学園服飾博物館の「パレスチナの民族衣装」展を見る

茫洋物見遊山記第8回&ふぁっちょん幻論第55回新宿の文化学園服飾博物館では「パレスチナの民族衣装」展が3月14日まで開催されています。聖地エルサレムを囲むパレスチナ地方には、イスラエルとアラブ両民族が政治的、人種的、宗教文化的に厳しい対立…

梟が鳴く森で 第1部うつろい 第35回

bowyow megalomania theater vol.1 10月15日 雨僕は、横浜線のことを考えています。それでお父さんに尋ねました。お父さんはきのう僕を怒ったので反省して、今日は僕にやさしくしようと努力しているので、それが分かっている僕はお父さんに協力してあげ…

梟が鳴く森で 第1部うつろい 第34回

bowyow megalomania theater vol.110月14日 曇「岳、うるさい! いいかげんにしろ!」と、お父さんが怒鳴りました。「バカヤロー!」と3回怒鳴りました。お父さんは嫌いです。僕を怒るから大嫌いです。 「旧型の山手線は、お払い箱ですか?」と尋ねただ…

アバドの「マーラーの7番」を視聴する

♪音楽千夜一夜第107回2005年の8月、スイスのルツエルン音楽祭で同管弦楽団を指揮したマーラーの第7交響曲のビデオを視聴しました。画面を見て驚くのはミラノの孤鷹クラウディオ・アバドの病み上がりの痩身といしだあゆみに匹敵するまるで骸骨のよう…

「小沢チルドレン」は何をしている

バガテルop120先日の朝日新聞に「新人黙らす小沢5原則」という民社党関連の記事がでていました。昨年の総選挙で当選した民主党の新人143人が小沢や鳩山の醜いスキャンダルに全員が貝になって沈黙を守っている問題について論じています。なんでも小沢学校…