蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

「小沢チルドレン」は何をしている


バガテルop120

先日の朝日新聞に「新人黙らす小沢5原則」という民社党関連の記事がでていました。昨年の総選挙で当選した民主党の新人143人が小沢や鳩山の醜いスキャンダルに全員が貝になって沈黙を守っている問題について論じています。

なんでも小沢学校に属する彼らは、まるで小学生のように10班に分かれて徹底的に管理・統率されているらしいのです。班長は中堅の国対副委員長たちで、国会内での朝礼(山岡国対委員長)を終えると各班に分かれてミーティングに移り、おもむろに本会議や予算委員会に出撃してやじを飛ばすのだそうです。

小沢学校の新人教育5つの掟は、1)「横並び」で党内秩序維持、2)党内の出来事はすべて班長に報告せよ、3)政府の要職につくべからず、4)テレビに出て目立つべからず、5)地元回りはこまめに、だそうです、これらはすべて小沢校長の方針だというから開いた口がふさがりません。君たちはチイチイパッパの幼稚園児か? と言いたくなります。

小沢学校を登校拒否して、あまでうす校長が唱えるように、1)党内秩序など完全に無視して、2)党内スパイの汚名を返上し、3)どんどん政府の要職を奪い取り、5)じゃんじゃんマスコミに出て己を主張し、6)地元回りなどはいっさいやめて朝から晩まで天下国家を論じてほしいものです。

選挙民は小沢とか鳩山のような手あかのつきまくった旧人よりは、しがらみのない新人に期待して票を投じたはずなのに、彼ら「期待の明星」が、福田、田中、横粂などのフレッシュマンともども、光のささない座敷牢に閉じ込められ、言論や行動の自由を奪われて、自民党の金脈政治にまみれた老獪な政治ゴロの言いなりになっている姿は「情けない」の一語に尽きます。

どれほど小沢の世話になったかしらないが、君たちが議員になれたのは、小沢の「生活第一」なぞという訳のわからぬツイッターを、選挙民が真に受けたからではありません。腐敗堕落の極に達した自民公明政治に鉄槌を下して、「ともかく政権交代させよう!」という圧倒的な民意の嵐が吹きまくった結果にすぎないのです。

小沢の言う通りに地元を地道に歩いたから見事当選したのではなく、民意があなたを当選させたのです。世間では小沢が選挙のプロであると評されているようですが、総選挙の選対が小沢以外の誰であっても、しゃらくさい選挙技術が皆無でも、民主党は勝利していたでしょう。むしろダーティなイメージが強い小沢がいなかったほうが、もっと数多くの得票を獲得していたにちがいありません。 

それを偉そうに己の手柄のようにして新人を私物化する小沢も小沢ですが、借りてきた猫のように言いなりになる新人諸君の責任は重大です。こんな右翼系体育会か帝国陸軍初年兵まがいのあほらしい新人教育5つの掟を一日も早く返上して、党内にふつうの民主主義を早急に確立してほしいのです。

私があえて1票を投じた元鎌倉市議、逗子市長の長島選手にも、同じ神奈川県の小泉選手のように、もっと自由闊達に言いたいことを言ってもらいたいのです。

現在の「小鳩民主党」は、金と政治や基地問題などで予想通り混迷を深めており、このままでは失速破綻して参院選でも民衆の大いなるしっぺ返しに遭遇し、思いがけない敗北を余儀なくされるでしょうが、そんなことはわが国の政治にとって2の次、3の次。そんな些事より、言論の自由のない政党に、輝かしい未来などこれっぽっちもないのです。



♪物言えば唇寒し民社党 茫洋