蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

西暦2015年水無月蝶人花鳥風月狂歌三昧

ある晴れた日に 第319回 戯れに死者の名で呼ぶ蛍かな われもまた一匹の獣であるMGM映画のライオンとなりて吠えておれば ウラナミアカシジミを今年初めて見ました2015年5月24日午前9時 安倍晋三マツコ・デラックス伊集院光猪八戒豚豚男は皆嫌い…

なにゆえに 第16回~西暦2015年水無月蝶人花鳥風月狂歌三昧

ある晴れた日に 第318回 なにゆえに同じ日にいちどに生まれ出るルリシジミは天からの瑠璃色の手紙 なにゆえに世界の果てまで戦争に行く専守防衛をかなぐり捨てて なにゆえに錦織が負けるとそっぽ向く日本人は日本人以外関心がない なにゆえにコーランを抛…

そのように~六月の歌

西暦2015年6月の歌~「これでも詩かよ」第150番 ある晴れた日に 第317回 中国の愚公という九十歳にもなるよぼよぼの老人が 家の前にある大きな山を動かそうと、朝から晩までセッセと土を運んだ。 人々は嘲笑ったが、天帝は老人を見捨てなかった。…

家族の肖像 その7~「これでも詩かよ」第149番

ある晴れた日に 第316回 「お父さん、サクラ、サクラ、サクラ好きですお」 「サクラ、お父さんも好きですよ」 「お父さん、桜は木にツに女ですお」 「お母さん、オオヨワリってなに?」 「オオヨワリ?」 「オオヨワリだお」 「大弱りか。とても困ること…

人間なんて~「これでも詩かよ」第147番

ある晴れた日に 第315回 人間なんて弱いものだ人間なんて弱いものだ人間なんて弱いものだ人間なんて弱いものだ人間なんて弱いものだ人間なんて弱いものだ人間なんて弱いものだ人間なんて弱いものだ人間なんて弱いものだ人間なんて弱いものだ人間なんて弱…

雑巾の歌~「これでも詩かよ」第145番

渋谷ヒカリエで「I'm sorry please talk more slowly」展をみて ある晴れた日に 第314回 寒い寒い冬の夜 目の前に雑巾を置いて、 そいつをじっくり眺めてみよう。 すると突然雑巾が、なにか、ぶつぶつ言い始める。 「I'm sorry please talk more slowly」…

なにゆえに~「これでも詩かよ」第143番

ある晴れた日に 第313回 なにゆえに 黄色いひよっこ ピヨピヨピヨ さえずるだけで たのしいからさ なにゆえに めんどりおばさん コケコッコ 歌ってるだけで 仕合わせだからさ なにゆえに うちのムクちゃん ワンワンワン 吠えてるだけで うれしいからさ な…

キリル・ペトレンコって誰だ?

音楽千夜一夜第342 回バガテル-そんな私のここだけの話op.201 ベルリン・フィルが3度目の正直でサイモン・ラトルの後任にキリル・ペトレンコを選んだというニュースには驚いた。 ロシア・オムスクの出身で現在バイエルン州立(国立)劇場の音楽監督を務…

ブルース・ウィルス大活躍!

闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.846&847 ジョン・マクティアナン監督の「ダイハード3」をみて NY市内の大爆発からはじまって、テロあり、カーチエイスあり、地下鉄から海から空から地下道まで縦横無尽に転回するサスペンスを、大口あんぐりで楽し…

鎌倉文学館で「源氏物語展」をみる

茫洋物見遊山記第183回&鎌倉ちょっと不思議な物語第345回 初夏のバラの見ごろは終わってしまいましたが、長谷の鎌倉文学館では来る7月5日まで「スーパーストーリ源氏物語特別展」が開催されています。 鎌倉と源氏物語なんてあんまり関係がないので…

鎌倉時代のテロルの現場を歩く その4 三浦泰村とその一族の「宝治合戦」

茫洋物見遊山記第182回&鎌倉ちょっと不思議な物語第344回 その合戦は、1247年宝治元年に起こったので、「宝治合戦」と呼ばれている。三浦氏は代々源氏に仕え、頼朝の挙兵時にも大きな役割を果たした御家人中の最大最強勢力であった。 その後鎌倉…

異民族の愛と憎しみのはざまを描いた二本

闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.844&845 ○シルヴィオ・ナリッツァーノ監督の「血と怒りの河」をみて メキシコの盗賊に子供の時に誘拐された米国人テレンス・スタンプが人種の谷間で悩みながら最終的にはアメリカ側について育ての親と一味をやっつけ…

R.J.カトラー監督の「ファションが教えてくれること」をみて

闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.843&ふぁっちょん幻論第94回 2007年9月号の製作をめぐって激しく戦うアメリカヴォーグの編集長アナとクリエイティブ・ディレクターのグレース。 この同じ年、同じ月、同じ英国生まれで同期入社の二人の熟女の…

ロバート・アルトマン監督の「ロング・グッドバイ」をみて

闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.842 探偵のフィリップ・マーロウは相変わらずタフだし、事件の全貌は相変わらず曖昧模糊にして五里霧中。いちおうの犯罪のプロットはあり、暦とした犯罪事件は起こり、残虐な死体の1つや2つはごろごろ転がり、チャンド…

鎌倉時代のテロルの現場を歩く その3 和田義盛とその一族の反乱

茫洋物見遊山記第181回&鎌倉ちょっと不思議な物語第343回 前述の「畠山重忠の乱」の8年後に起こったのが、「和田合戦」である。 和田義盛は頼朝の挙兵の時から従い、鎌倉幕府の成立に大きく貢献し、幕府の侍所初代別当(長官)になるが、北条氏と対立…

チェーホフの「三人姉妹」を読んで観る

照る日曇る日第794回 読んだのは昭和二五年に岩波文庫から出た湯浅芳子の翻訳、視聴したのはケラリーノ・サンドロヴィッチ演出のシスカンパニー製作のものをNHKが中継録画したものでしたが、いずれも期待を上回るようなものではありませんでした。 私…

いろんな映画ア・ラ・カルト

闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.835~841 ○エドワード・ズウィック監督の「きのうの夜は」をみて 夫婦喧嘩は犬も食わないというは、若い恋人たちの好いた惚れた別れたは猫だって喰わないはずだ。 恋の誕生と変遷と死滅、そしてその再生を描く映画はこ…

鎌倉時代のテロルの現場を歩く その2 畠山重忠・重保追討事件

茫洋物見遊山記第180 回&鎌倉ちょっと不思議な物語第342回 畠山重忠は、源頼朝の挙兵に際してはじめは敵対するが、のちに臣従して武勇の誉れ高く、その清廉潔白な人柄は「東国武士の鑑」と称された。 政略結婚させられた木曽義仲の息子を暗殺されたと…

鎌倉時代のテロルの現場を歩く その1 比企能員謀殺事件

茫洋物見遊山記第179 回&鎌倉ちょっと不思議な物語第341回 比企能員(よしかず)は源頼朝の乳母比企尼の養子で、その縁で頼朝の信任が厚かった。 頼朝の嫡男頼家が生まれると、彼の妻がその乳母、能員も乳母父となり、あまつさえ能員の娘若狭局は、頼家…

ソニーの「合唱曲ボックス」GROSSE CHORMUSIK30枚組CDを聴いて

音楽千夜一夜第341 回 最近安倍内閣の素晴らしい経済政策によって異常なまでのドル高円安が続いており、輸入CDの価格はまたしても急騰しているので、私のような貧乏人はともかく超廉価盤の中からいいものを厳選するほかありません。 さてこの組物ですが、…

長田 弘著「奇跡」を読んで

照る日曇る日第793回 先日亡くなった詩人の最後の詩集を謹んで拝読いたしました。 「奇跡」というタイトルについて、著者は「日々にごくありふれた、むしろささやかな光景のなかに、わたしにとっての、取り換えようのない人生の本質はひそんでいる。それ…

井上ひさし著「井上ひさし短編中編小説集成第8巻」を読んで

照る日曇る日第792回 本巻では「月なきみそらの天坊一座」「黄色い鼠」「喜劇役者たち」の3冊を収めているが、なかでは真ん中の「黄色い鼠」が面白い。 1976年に半年ほど豪州に滞在していた著者の体験と取材から生まれた作品で、そこには第2次大戦…

されど、なかなか見ごたえのある映画もあったずら。

闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.827~834 ○トラン・アン・ユン監督の「青いパパイアの香り」をみて 内憂外患、嫌なことばかりの毎日であるがたまにこういう映画に出会うと心が洗われるような思いがする。1950年代フランスの植民地であったベトナ…

残念だった映画いろいろ

闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.820~826 ○河野寿一監督「独眼竜正宗」をみて 1959年製作の東映映画でおなじみ中村錦之助が汗臭く熱演。目に矢を射られて血だらけになるシーンが痛ましいが、史実から完全に浮き上がった動画紙芝居を見せられてい…

車谷長吉著「赤目四十八滝心中未遂」を読んで

照る日曇る日第791回 私と歳の近いこの人がコンビニから帰ってすぐに誤嚥で急死したという報道はショックだった。私も最近誤嚥することが多くなっていたからである。 そこで故人の冥福を祈りつつ代表作を再読したのだが、命を削り心臓から流れ出す血を原…

内田樹・白井聡対談「日本戦後史論」を読んで

照る日曇る日第790回 敗戦の落とし前をきちんとつけられなかったのは我が国だけかと思っていたが、そうでもないらしい。 内田氏によれば、意外なことにフランスは第二次大戦の敗戦国らしい。パリを解放したのは正当なフランス政府軍ではなく、ヴィシー政…

西暦2015年五月の歌~「これでも詩かよ」第148番

ある晴れた日に 第312回 うちの耕君が笑ってる。 『風のガーデン』の黒木メイサを見ながら、笑ってる。 赤ちゃんみたいな顔して、笑ってる。 あ、ラッタラッタラー うちの奥さんが、笑ってる。 『踊る!さんま御殿!!』を見ながら、笑ってる。 少女のよ…

三十年はひと昔~蝶人五風十雨録第2回「五月三十日」の巻

バガテル-そんな私のここだけの話op.200 1981年5月30日 宮澤清六氏より頂いた賢治の「貝の火」を読む。 1982年5月30日 藤沢にて「第9回神奈川県県域自閉症連続講演会」を開催。聴衆約200名。講師は東大の太田昌孝先生。併せて県域親の会…

すべての言葉は通り過ぎてゆく 第23回

西暦2015年皐月蝶人狂言畸語輯&バガテル-そんな私のここだけの話op.200 繰り返しましょう。「国際的対決主義」にもとづく積極的戦争主義」こそは、日本の将来を導く旗印となります。 私たちの同盟を「戦争の同盟」と呼びましょう。「戦争の同盟」一緒…

なにゆえに 第15回~西暦2015年皐月蝶人花鳥風月狂歌三昧

ある晴れた日に 第311回 なにゆえにドローンドローンと騒いでるアランドロンならまだ生きている なにゆえにコジュケイの家族が庭にいる彼らの連休第一日だから なにゆえに平和憲法を改悪しようとする70年の平和の有難さを知らない なにゆえに「オレの生…