蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

梟が鳴く森で 第2部たたかい 第10回


bowyow megalomania theater vol.1



10月26日 雨

 白いつぶつぶを混ぜた、変な雨が、ざざあ、ざざあ、と降って来ました。

僕は、じんせいがいやになってきました。すべてのことが、いやになってきました。星の子学園が、いやになってきました。

僕は、僕のことも、弟のことも、お父さんのことも、ムクのことも、みんなみんな、いやになってきました。僕なんか、生まれてこなかったほうがよかったんだ、と考えたとたんに、自分で自分が悲しくなってしまいました。

なにもかもいやになってしまったけれど、だからといって特になにかすることを思いつかなかったので、近所の金沢八景へ抜ける切り通しのところへ行きました。


♪しかすがにてふ枕詞思い出したりシガスカオの歌ききて 茫洋