蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

梟が鳴く森で 第2部たたかい 第12回


bowyow megalomania theater vol.1



10月28日 曇

今日は朝から風邪気味でした。

具合がとても悪いので、流れてきた「イチョウまんじゅう」の箱をぼんやり眺めていたら、突然目から火が出ました。

現場監督の長島先生が僕をぶん殴りました。僕の頭をぐあんと殴ったのです。

僕は目からバチバチと火を出しました。それからあんまり痛かったのでわあわあと言って泣きました。そしたら、
「いつまで泣いてんだ。バカ」
と言ってまた長島先生が僕を殴りました。

今度はほっぺをぶん殴りました。すごく痛かったので、また泣こうかと思いましたが、また泣くと、また長島先生にぶん殴られると思ったので、僕は必死で泣きませんでした。

いっしょうけんめい泣くのをこらえました。ヒックヒックと言ってこらえました。

長島先生は嫌いだ。長島なんてぶっ殺してやる。



美しきうわべの貌をひとめくり心はいかに美しき人か 茫洋