三宅喜重監督の「阪急電車片道15分の奇跡」をみて
bowyow cine-archives vol.713
日本の電車の中でいちばんかっこいいのは阪急電車、いっとうかっこいい駅は阪急梅田駅と私は昔から考えている。
素晴らしいのはなんというてもあの重厚な「ぶだういろ」の外装で、これを東京のみどりの山手線や黄色な中央線の露骨で下品なブライトカラーと比べてみれば、その差は歴然たるものがある。
この格調高い上品な色彩を選んだのは、さだめしオーナーの小林一三か、運転手だった朝比奈隆のいずれかではないか、と愚考するのだが、間違っていたらごめんなさい。
内容はといえばその阪急電車と阪急今津線を舞台にした近隣の住民たちをめぐる心温まる交流譚で、甘いといえば甘いがてだれの岡田恵和が手際よくストーリーを脚色している。
電車の中で突然ぶちきれて付き合っている女性を威嚇するDV男にならないよう、わたしも注意しよう。
ようやく白地に緑のペンキ塗りも終わったこれで妻の病気さえ治ってくれればいいのだが 蝶人