蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

久松静児監督の「地の涯に生きるもの」をみて

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bowyow cine-archives vol.717

 

 これは1960年制作の日本映画で、国後島出見の漁師、森繁久彌の悲しき生涯を綿綿と綴っていくのだが、にっくきソ連(ロシア)に北方領土を略奪された怒りがまったく表現されていないのが見ていても腹立たしい。

 

 トルストイドストエフスキー、チエーホフ、ゴンチャロフを生んだ偉大なる文学国の政治における非道な領土拡大主義の無茶苦茶さは、隣国の中国にも飛び火し、平成の現在もその狂乱はますます悪化の一途をたどっているようだ。

 

 それにしても若き日の司葉子のにおうがごとき美しさよ!

 

 

  なにゆえにサハリンサハリンと安易に口走る北方の熊に強奪されし樺太を 蝶人