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蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

西暦二〇一五年四月の歌~「これでも詩かよ」第138番

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田村隆一著「田村隆一全集6」を読んで

 

ある晴れた日に第301回&照る日曇る日第777回

 

 

四月はいちばん残酷な月さ

いままで無料だった町内のゴミ出しが

袋1枚80円の有料になってしまった

 

四月はいちばん残酷な月さ

ミルクもヨーグルトもケチャップも値上げになって

年金の手取りがみるみる減ってゆく

 

四月はいちばん残酷な月さ

政権に楯突くキャスターたちが

突如解雇されて路頭にさ迷う

 

四月はいちばん残酷な月さ

花見酒に浮かれてカッポレを踊っている間に

不戦の誓いがウジ虫に喰われていく

 

四月はいちばん残酷な月さ

終戦を敗戦、大学紛争を闘争と言い換えていた友が

2015年を平成27年という。

 

四月はいちばん残酷な月さ

かつて国立競技場を埋め尽くした人々が

スタジアムもろとも滅びていく

 

四月はいちばん残酷な月さ

桜の樹の下で眠る愛犬ムクが

早く来てねとワンワン吠える

 

 

  空は晴れ桜は咲いても心は闇だ四月はいちばん残酷な月  蝶人