蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

鈴木清順監督の3つの作品をみる

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闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.790&791&792

 

 

鈴木清順監督の「けんかえれじい」をみて

 

 岡山から会津若松へと、高橋演じるバンカラ旧制中学生がやたら喧嘩を繰り返すのだが、最後は2.26事件を知って会津若松のカフェで目撃した北一輝に会いに行こうと上京するところで終わるという妙な映画なり。

 

 そんな主人公がカトッリックというのがちょっとおかしいが、全体を通じて非常につまらない映画で、そういう面白くもおかしくもない映画を監督は作りたかったのだろう。

 

 主人公のマドンナ浅野順子が可愛らしい。

 

 

鈴木清順監督の「殺しの烙印」をみて

 

 殺し屋ナンバー3の宍戸錠が殺し屋ナンバーワンになろうと切磋琢磨して自滅する話。

 

 錠と小川万里子のからみがいまみても結構エロっぽいこと、山本直純の音楽が新鮮であることをのぞくとどうということはない。

 

 この人の習俗に与しないモダニズム手法には大いに共感するが、だからというて映画自体がいいか、面白いかという話とは別。これを見て怒り狂って鈴木を日活からパージした堀久作の気持ちはよく分かる。

 

 

鈴木清順監督の「東京流れ者」をみて

 

同時代のださいルーチンプログラムに反抗するポップでシュールなモダニズム映画であるが、そういう風に演出、美術、照明にこだわる行き方じたいがダサイと思えてくるような奇妙な映画である。

 

 

  金曜の午前中に訪れたがとっくに閉店していたよ「カフェ金曜の朝」 蝶人