蝶人戯画録

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井上ひさし著「井上ひさし短編中編小説集成第6巻」を読んで

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照る日曇る日第783回

 

「合牢者」「さそりたち」の2冊の既刊に加えて11本の単行本未収録の短編が収められている。ここまでの5冊はそれなりに読み応えのある佳作、秀作がちりばめられていたのであるが、本巻はそのいずれを読んでも前に読んだような気がする番茶のでがらしのごとき凡作の山また山で閉口した。

 

いつもは前半が多少つまらなくても巻末の未収録の短編の落ち穂拾いが楽しめたのだが、今回はそれも皆無で、オマンコ、オマンコと鳴くという「鳥」に至っては知性も感性も甚だしく欠落したお下劣低能白痴の極みでありました。

 

 これやこの、井上ひさしならぬ別人がものしたかあ、あんまりお勧めできない作品集なりい

 

 という太鼓判を押させいただきやしょう。