蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

それにしてチャールズ・ブロンソンは悪くない

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闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.858&859

 

 

セルジオ・レオーネ監督の「ウエスタン」をみて

 

 無残なやり方で兄を殺された弟チャールズ・ブロンソンがにっくき殺し屋ヘンリー・フォンダに復讐する話で、この2人とジェイソン・ロバーズにからむのがなんとクラウディア・カルディナーレという変態的配役のマカロニ西部劇。

 

 ♪なにかいいことあるか子猫ちゃんありそでなさそでウッフン黄色いさくらんぼー

 

 というのが、お馴染みエンニオ・モリコーネとぐるになったセルジオ・レオーネの演出手法で、これら男3人と女1人の顔を延々とクローズアップするのだが、別になーーにも起こらないで次のカットに移行するのである。

 

 

セルジオ・ソリーマ監督の「狼の挽歌」をみて

 

 これはチャールズ・ブロンソンがその細君の美貌とセクスイーな肢体を自慢するために作ったイタリア映画ではなかろうか。

 

 天下無敵の荒くれ者は何回もジル・アイアランドに騙されるのだがそれでもまだ懲りずに愛の妄執につきまとわれ、ようやっとラストで泣く泣く撃ち殺すのであーる。

 

 

リチャード・フライシャー監督の「マジェスティック」をみて

 

 スイカの収穫に命を賭けるチャールズ・ブロンソンが体を張って感動的に闘うなかで、とうとう悪いギャングの親玉を斃して晴れて恋人と結ばれる。

 

 勧善懲悪を地でいく古典的活劇映画ではあるが、みていて気持ちがいい。これはもしかするとブロンソンの最良の映画ではないだろうか。

 

 

 夏になれば農夫は西瓜を獲り入れるこれ以上聖なる仕事があるだろうか 蝶人