トニー・ギルロイ監督の「フィクサー」をみて
闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.965
NYの弁護士事務所のもみ消し屋、ジョージ・クルーニーが良心の痛みに耐えかねて事務所や悪徳企業を裏切り最後に悪人ばらに一矢を報いる話だが、なんというてもジョージ・クルーニーが絵になるずら。
陰鬱な物語の進行と画面全体に漂う悲愴な暗さは明らかに今は亡き本邦特産の富士フィルムのテーストの賜物。
あほばか能天気コダックの対極にあって長年世界の映画創作界に貢献した深刻沈痛富士ブランドは、いうたらなんやけど、スタインウエイに対峙するベーゼンドルファーに等しい貴重な存在理由をみずからの手で放棄して、聖子とみゆきの化粧品の世界へと逸脱してしまった。
津津浦浦自公のポスター貼られたり総閉塞のこの国の冬 蝶人