蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

2008-09-01から1日間の記事一覧

小川国夫著「虹よ消えるな」を読んで

照る日曇る日第153回小川国夫という人はどこか懐かしさを感ずる人だった。もういまではどこか遠くに行ってしまった古く懐かしい時代の息吹がそこここに感じられる。この人の筆法は単刀直入で、物事の本質だけを短刀でグサリと心臓を抉るように墨痕黒々と…