蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

2011-08-26から1日間の記事一覧

丸谷才一著「樹液そして果実」を読んで

照る日曇る日第449回甘味滴る書名に惹かれて読んでみたが、柔らかな表皮の内部は博学才知をもって鳴るこの著者ならではの広く深い考察に満ち満ちていた。前半はジェームス・ジョイスの「若い藝術家の肖像」と「ユリシーズ?」を巡る才走った文芸評論、後半は…