蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

2012-09-23から1日間の記事一覧

「古井由吉自撰作品四」を読んで

照る日曇る日第540回 その日、下駄屋の息子の僕は下駄ばきだった。出町柳から八瀬まで叡山電鉄で行き、そこから叡山ロープウエイに乗って終点で降りた。降りたのは僕たち四人だけだった。時刻はまだ早く、午前九時くらいだった。駅の目の前にお化け屋敷があ…