蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

九本桜土俵入り


鎌倉ちょっと不思議な物語22回


太刀洗には、なぜか枝分かれした樹木が多い。

これは根元から九つの枝に分岐した山桜で、春には白い小さな花弁をはらはらと散らせてくれる。

この桜の下を2002年に死んだムクとよく散歩したものだ。
 
だんだん寒くなってくるけれど、らいねんの春もどうか無事に君の花を眺めたいものだ。

九本刀で土俵入りする横綱には到底かなわないけれど、近くには八本、七本大関も両腕を広げて立っている。