蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

「BAROQUE  MASTERPIECES」を聴く

♪音楽千夜一夜第49回

これまでおよそ1か月にわたってちびちび舐めるように聴き続けてきたソニーBGMグループより限定発売の「BAROQUE MASTERPIECES全60枚」が昨夜でようとう終ってしまった。

最後に残った61枚目は曲目リストで、バッハからヴィヴァルディ、ブクステフーデ、コレルリクープランヘンデルリュリ、シャルパンチエ、ペルゴレージ、パーセル、ラモー、スカルラティ、シュッツ、テレマンパッヘルベルなどの代表的な作品の数々が、プチットバンドやレオンハルトや、クイケンやマルゴワールや、ムジカケルンやあら懐かしやコレギウム・アウレウムなどの多種多彩な演奏で収録されていたことをはじめて知った。なにせタワーレコードで締めて5800円、1枚当たり97円という超お買い得の廉価盤。しかも演奏がみな優れている。これを買わずになにを買うというのだ。クラッシックファンなら絶対に後悔しないだろう。


全部を聴き終えた今改めて振り返って思うのは、バッハの偉大さとヘンデルの単調な饒舌の剛毅さ、パーセルのやっぱりなつまらなさ、ヴィヴァルディの底知れぬ才能の深さを思い知らされた。また単品アラカルトで忘れ難いのは、当たり前とは言えレオンハルト指揮のバッハ「ブランデンブルグ協奏曲全」と「ゴルトベルグ変奏曲」。チエンバロによる独奏だが、ある意味ではグールドよりもすごいのではないかと思ったりしたことでした。


上野国権田村にて薩長の田舎侍に斬られたり気骨ある武士小栗上野介 茫洋