蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

梟が鳴く森で 第2部たたかい 第9回


bowyow megalomania theater vol.1

ゲッ、ゲッ、ゲエーとぜんぶの穴から出しちゃいました。

そして泣きました。

こわかったのです。

頭が痛い。もういやだ。僕は女のひとに汚されてしまった。僕は女のひとは、いやです。なにされるか分からない。乙姫なんて大きらいだ。許せない。ぶっ殺してやる。

額のところに玉のような汗をかいて「ちくしょう、ぶっ殺してやる! 許せない!」
と叫んだところで、パッチリ目が覚めました。お母さんが心配そうに僕をのぞきこんでいました。病院でした。真っ白なシーツにつつまれて僕はあくむのような夢を見ていました。そしてそれが発作でした。


     春蘭が咲いていたのはこの辺り 茫洋