蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

梟が鳴く森で 第2部たたかい 第30回


bowyow megalomania theater vol.1


そうして、それから夜になりました。

ひとはるちゃんは、だいぶ発作が治まりましたが、いぜんとして熱が高く、あれからずっと洋子と文枝が看病しています。でもまだ意識は戻りません。

僕は一人で外へ出ました。おそろしいほど先端がとがった鎌のような月が銀河の無数の星星と一緒に西南の空を明るく輝かせています。冷たい大気が全身を包み、僕は思わずおちんちんがぎゅっと縮んでいくのが分かりました。

すると、昼間ススキの穂が動いていたあたりで、なにやら物音がしました。銀の波が大きく2つにぱかっと分かれ、高く茂ったススキの群れを踏みながら、黒い影がどさりと倒れました。

その黒い影のあたりから、なにやら奇妙なうめき声がしています。
僕は急いで小川を渡り、原っぱを走りに走ってススキの根元に駆けつけました。

公平でした。公平君は体中のあちこちが傷だらけでしたが、血まみれの左手にピストルをしっかり握りしめていて、僕がその銃身に触ると熱がほのかに伝わってきました。


ペルリでもやって来たのかフジテレビお台場お台場と毎日騒ぐな 茫洋