蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

ガイ・ハミルトン監督の「クリスタル殺人事件」をみて


闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.84

おなじみアガサクリステイ原作の1980年制作の殺人謎解き物です。老嬢ミス・マープルが我々の予想もしなかった名推理で真犯人を上げるのはいつもことですが、注目すべきは大スター役で出演しているエリザベス・テーラーとわがご贔屓のキム・ノヴァクの対決。

2人はほぼ同い歳。もちろんキャリアからいえばテーラーに軍配が上がって当然なのでしょうが、映画のスクリーンの上では、まるで豚と真珠、月とスッポン、掃きでだめと鶴の違いでキム・ノヴァクのかわらぬ美貌、引き締まった体躯、そしてぐわーんと盛り上がるおっぱいに魅了されてしまいます。

2人がどのようなボデイ・コントロールを行ってきたか一目瞭然なのですが、不倶戴天のライバル女優役を演じる2人が、デブだのブスだの売り言葉に買い言葉で面罵するシーンもワクワク、ハラハラさせられます。

というわけで、改めて早すぎたノヴァクの引退が惜しまれる一作となって、別にリズには恨みがなくとも辛くなってしまった私の採点ですが、彼女はあの「ジャイアンツ」で共演したロック・ハドソンと久々の夫婦役を演じることができて感慨無量だったのではないでしょうか。

立ったままジャパンタイムズを読んでいる京急バス内のインド人 茫洋