蝶人戯画録

毎日お届けする文芸、映画、エッセイ、詩歌の花束です。

「田村隆一全集第1巻」を読んで


照る日曇る日 第419回&♪ある晴れた日に 第86回

今年はじめて花粉症になってしまったので、目にはサングラス、鼻にはマスク、頭には帽子をかぶってハイランド坂上の西友で2個だけ並んでいた冷凍ブロッコリーを買い占めて家路に急いでいたら、舗道の右側に生まれたばかりのキタテハが垂直の柱を立てるやいなや別のキタテハが飛んできて、その隣にあざやかな黄色い翅を広げた。ああ、小さな帆掛け舟のようだ。

春の海帆掛け乗り出す二羽の蝶 茫洋